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「ミュージックステーション」の果敢な挑戦の歴史【CG篇】 

前回の続きです。
「ミュージックステーション」その1
映像大好き - 「Mステ」 ガクト『GHOST』他 気合の入ったカメラワーク


~ 「ミュージックステーション」 CG合成の歴史 ~

テレビ朝日「ミュージックステーション」
毎週金曜夜8時~生放送



- 1997年 -
生放送で合成に挑戦、惨敗


・SMAP「ダイナマイト」 (1997年3月放送)
香港に居る香取慎吾とMステのスタジオに居る4人のメンバーとを生放送で合成するという試み。
香取慎吾は香港の街中(夜の屋外)からの中継でした。

5人が同じ場所で一緒に踊っているように見えるのが理想だったのだろうと思いますが、
合成された香取慎吾と日本に居る4人との大きさも角度も合っていないのであまり一つの画面の中に5人が居るという感じはしませんでした。
しかし生の映像同士を合成するというのはすごいことだったと思います。

数年後にSMAPがMステに出演した際、「あの合成はひどかった」とネタにしていました。

香取慎吾だけ大きい
Mステ SMAP「ダイナマイト」

(衣装はイメージです)



- 2001年 -
画期的、でも不自然な雪のCG


・桑田佳祐「白い恋人達」
桑田佳祐が歌う生の映像に、舞い落ちる雪のCGを合成するというもの。
生放送の歌番組にCG効果を合成するのは画期的でした。

雪のCGが1パターンしか用意されておらず、カメラが動いても、どのアングルで撮っても、同じ大きさの雪が同じ方向に降る点が不自然でした。

画像はその時のものではなく、別の回のキャプチャ画像にペイントで雪を描き足して再現したものです。

理想:
カメラと被写体までの距離や角度が変わると、雪が大きく見えたり、
Mステ 桑田佳祐「白い恋人達」

雪が小さく見えたり、
Mステ 桑田佳祐「白い恋人達」

降る方向が変わったりします。
Mステ 桑田佳祐「白い恋人達」


実際のオンエア(の再現):
アップでも、
Mステ 桑田佳祐「白い恋人達」

カメラが引いても、
Mステ 桑田佳祐「白い恋人達」

俯瞰の構図でも、
Mステ 桑田佳祐「白い恋人達」

CGの雪だけが構図も変わらずいつも同じ方向に降っています。



- 2005年 -
CGだとわからないくらい自然なCG


・大塚愛「プラネタリウム」
ここで大革新が起こります。「バーチャルCG」(リアルタイムCG、オンエアグラフィックス)という技術の登場です。

カメラの移動と連動して動く3DCG
大塚愛の背後にCGで作られた星空が広がっているのですが、カメラの移動に合わせて星空も自在に角度が変わります。
現在ではニュース番組などで目にする技術です。

上記の桑田佳祐「白い恋人達」の『理想』のような映像が実現したのがこの大塚愛「プラネタリウム」の時です。
ついに「自然すぎてCGに見えない」という現象が起こりました。
生放送のCG合成に果敢に挑戦してきたMステスタッフの理想が実現したのではないかと思いました。

CGで作られた星空が悪目立ちせず自然で、見ていて気が散りません。
それでいて星が美しく曲を引き立てています。
あくまで歌手の背景に徹し、CGだということにも気付かれないというのは理想のCGではないでしょうか。
パッと見では星空がCGではなくセットのように見えました。
でもセットでは無理であろう広範囲に星が広がっていて、CGなしではできない演出でした。

その後、同様の技術を使った演出は倖田來未に一度使われ、それ以降Mステでは見掛けなくなりました。
完成度が高すぎてCGに見えないから無駄だということになってしまったのでしょうか。
それとも準備が大変で多用できないのでしょうか。
倖田來未の時は、人の身長くらいの大きさの複数の宝石が宙に浮かんでいるというようなCGだったと思います。



- 2007年 -
今井翼が画面の中から出てくる


・タッキー&翼「SAMURAI」
この日は今井翼がお休みで、Mステのスタジオに居るのは滝沢秀明のみでした。

タッキーの背後のスクリーンには、事前に撮影された今井翼が映っています。
その今井翼がなんと画面の中から出てきます
スクリーンから抜け出して来た今井翼(録画)がCG合成でタッキー(生)の隣に立ち、2人が並んで歌うというとても面白い演出です。

動画はこちらで
Music Station タッキー&翼「SAMURAI」(3分24秒)
(YouTube動画へのリンクです。別窓で開きます。
リンク先の動画は削除される可能性があります)

今井翼がスクリーンから出てくるのは2分40秒のところです。


この演出のすごいところ
CG合成された今井翼と周囲との角度も大きさも、ぴったり合っています。
CGで作った素材を画面に合成するのとは訳がちがいますよね。
上記の大塚愛の時に使われた素材(星空)はCGなので、カメラの動きと連動してリアルタイムで形を変えられますが、
あらかじめ撮影しておいた実写の今井翼ではそうはいきません。

生放送なのに違和感なく実写同士を合成することが可能なのかとびっくりしましたが、よく見ると今井翼が画面から出てくる前と後とでカメラの動きがちがいます。これが鍵です。


どうやって撮影している?
動画の2分40秒までは、カメラが移動したり引いたり、ズームになったり、クレーンカメラで寄ったりと常にカメラが動いています。
今井翼がスクリーンの外に出てきてからは固定カメラで撮影されています。

録画の今井翼を撮影した時とまったく同じ場所に固定カメラを置いているのでしょう。
だから被写体の角度も大きさも、ぴったり同じにできたのですね。
録画の今井翼も同じMステのこのスタジオで撮影したはずです。

今井翼がスクリーンから出てきている時(2分40秒~3分2秒)は、3台の固定カメラからの映像を
代わる代わる映してカメラが移動しなくなったことを目立たないようにしています。


欠点
さすがに「合成した感」はあり、今井翼が本当にそこに居る感じや、体重までは感じられません。

(紙を貼り付けるように今井翼を画面の上から貼り付けている訳で、体重移動した時の体の微妙な沈み込みや、靴底と床とが吸い付くような重力感をCG合成では再現できないためです)

合成された今井翼と、周囲との色合いも生放送ですから合っていません。

ですが、背景と今井翼との角度が合っていない、今井翼が完全に宙に浮いてしまっている、といった違和感がまったくありません。すごいです。

(これが録画番組であれば、タッキーをはじめ今井翼以外の映像の画質を翼に合わせて落としたり、カラコレ(色彩補正)すればかなり今井翼の質感が周囲と馴染むと思います。)



振り返ってみて

当時一番驚いたのは、2005年の大塚愛「プラネタリウム」の星空の演出でした。
生放送のCG合成がついにここまで!と思いました。

水泳競技の中継で、どのレーンでどの国の選手が泳いでいるかがわかるように
プールの水面に国旗を表示させたり、世界新の表示を赤い線で出したりといった
リアルタイムCGの技術が開発されたのが2001年頃だそうです。


サービス精神旺盛なMステに、CGの技術が追い付いて来たという印象です。
挑戦し続けるミュージックステーションはすごいです。


拍手を押してくださった方、どうもありがとうございました。

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「Mステ」 ガクト『GHOST』他 気合の入ったカメラワーク 

■ 「ミュージックステーション」の丁寧に考えられたカメラワーク

・Gacktシングル曲「GHOST」(ゴースト)
2009年1月発売

・テレビ朝日「ミュージックステーション」
2009年1月23日放送


動画はこちらで
Gackt Music Station「GHOST」パフォーマンス 2009-01-23(3分3秒)
(YouTube動画へのリンクです。別窓で開きます。
リンク先の動画は削除される可能性があります)


ガクトがサイボーグを演じながらロボットダンスを踊っています。

ダンスの振り付けや、ガクトのダンスとバックダンサーとの連動など、世界観の完成度がすごいです。
そのパフォーマンスのかっこよさを最大限に生かして視聴者に届けたいという
Mステスタッフの気合が伝わってくるようなカメラワークでした。



ロボットぽさをカメラワークで強調する工夫

動画の0分51秒~52秒(「残酷な出来事が」のところ)で、カメラが一旦右にパンし過ぎてまた左に高速で戻ります。
これはミスではなくわざとだと思います。ガクトのロボットらしいガクっと落ちるような動きを視覚的に増幅する効果があります。


2分8秒~12秒のカット。ガクトの振り付けは、映画「マトリックス」のように動きと動きの間に残像が見えるようなイメージでしょうか。
映像表現を体の動きで再現するという面白い振り付けだと思います。


■ ラスト(2分57秒)はサイボーグの動きが停止するのを表すかのように、音のタイミングに合わせてカメラがガクっと揺れます。
それも被写体がブレるような雑な揺らし方ではありません。
照明と合わせて効果を発揮する丁寧な演出だと思います。
生放送でここまで凝ったカメラワークは他では見られないかも知れません。


事前にスタッフが歌を聴き、ダンスを見て、どこからどこまでをどのカメラで、どんな構図で撮るか決めると思います(カット割り/カメラ割り)。

人の目は細かく割られたカットにせわしなさを感じ、見たい映像が分断されるとストレスに感じることもあります。
Mステの「GHOST」のカット割りは細かいですが、「こう見せたい」という意図が伝わって来るカット割りだと思います。



Mステの凝った演出

生放送なのに曲ごとにセットが変わるというMステの基本からしてすごいですが、
カメラが一瞬歌手の顔のアップになり、次の瞬間カメラが引いたら背景が変わっているなど手品みたいな演出もありました(CGなし)。

・秋川雅史「千の風になって」
カメラが引くと背景が変わっている

・土屋アンナ feat.AI「Crazy World」
土屋アンナとAIを取り囲む檻が消える(2008年)



ワンカットで檻が消える

曲の前半では土屋アンナとAIが檻の中に入って歌っています。
中盤以降、いつの間にか2人の周りから檻が消えています。

動画はこちらで
土屋アンナ feat.AI「Crazy World」(3分11秒)
(YouTube動画へのリンクです。別窓で開きます)

前半 (画像2枚目は檻を上から映したところ)
土屋アンナ feat.AI「Crazy World」

後半
土屋アンナ feat.AI「Crazy World」

土屋アンナの顔にカメラが寄っている間に画面の色調を一瞬変えて
檻のセットが移動していくのを目立たなくさせ、カメラが引いていくと檻がなくなっているという仕掛けです。
檻が消える瞬間をワンカットで見せることにこだわっているのがすごいと思います。


1分43秒のところで、左方向に移動していく檻のセットが一瞬映っています。
土屋アンナ feat.AI「Crazy World」



■ Mステを見ていて感じるのが、歌手がカット割りをよく把握しているということです。
打ち合わせを入念に行っているのかな、など想像が膨らみます。


次回に続きます。
「ミュージックステーション」その2
映像大好き - 「ミュージックステーション」の果敢な挑戦の歴史【CG篇】


拍手を押してくださった方、どうもありがとうございました。

NHK紅白歌合戦「会場で演奏しない生演奏」の方法 

■会場に楽器がないけれど生演奏しています

NHK総合『第59回 NHK 紅白歌合戦』
2008年12月31日 19:20~23:45放送
会場:NHKホール


番組開始から1時間20分のトークコーナーでのことです。
司会の中居正広と仲間由紀恵が「紅白歌合戦の伴奏は生演奏です」と言いました。

その言葉を聞いて最初頭が混乱しました。
伴奏の音色はNHKホールのような広い会場ではなく、もっと小さい空間で演奏しているような反響の少ない音に聴こえたからです。つまり事前にスタジオ録音した演奏を流しているのだと思っていました。
何より会場の中にオーケストラピットが見当たりません。


どうやって生演奏している?

中居正広「ところで仲間さん、生放送でお送りしていますけどこの紅白、歌の伴奏は生演奏ってご存知ですか?」

仲間由紀恵「もちろんですよ。実は別のスタジオで生で演奏してらっしゃるんですよね」

中居正広「そのスタジオの前に香取君が居ます。香取くーん」

東京 NHK506スタジオから中継
香取慎吾「はーいこちら506スタジオに来ています香取慎吾でーす。
皆さんこちらで演奏されているんですね。
さっそくご紹介しましょう、『三原綱木(みはらつなき)とザ・ニューブリード』の皆さんでーす」


NHK506スタジオは音の録音専用の小さいスタジオ(録音スタジオとしては広いのかも知れません)です。
スタジオの中には、
演奏者13人+指揮者+スタッフ1人
計15人が居ました。
演奏の方達と指揮者の三原綱木が映ります。

506スタジオに居る演奏者は、全員管楽器の方でした。
前列から、
サックス(5人)
トロンボーン(4人)
トランペット(4人)

の3列、計13人が密集して椅子に座り演奏しています。

皆さん普段着といった感じの普通の服装をしています。
13人それぞれの目の前には譜面台、足元には楽器ケースなどが雑然と置かれており、舞台裏の普段通りの姿を映したという感じの演出でとてもよかったです。

楽器の数だけマイクがあります。
演奏者全員の譜面台それぞれの横にマイクが立ててありました。


1列目、右から2番目のサックスの方の足元にはバイオリンケースが置かれていたので、この方はサックスとバイオリンを兼任されているのかも知れません。

指揮の三原綱木さんは座高の高い椅子に座っており、その隣には機材が置かれた机の前にヘッドセット(音響機器)を付けて椅子に座っている男性が居ました。

このスタジオでの演奏が紅白の会場とお茶の間に流れていたのですね。


■でも、楽器が足りません。紅白歌合戦の会場にはピアノや弦楽器などの音も聴こえていますが、506スタジオには管楽器しかありません。

それについて、NHK「スタジオパークからこんにちは」(2008年12月17日放送)で三原綱木さんがゲスト出演して解説していたそうです。
こちらのブログで知りました。

「~夢の続きを見ながら~」より
紅白の演奏者の方の裏話 2008.12.17
以下引用です。

バンドの方たちと、ストリングスの方たちはまた別の場所で、
皆さんモニターで綱木さんの指揮を見ながら演奏しているそうです。
そして綱木さんは専用の「綱木マイク」で指示を出しているんだそうです。
(引用終わり)




「“ちょっとジャズ” な情報基地♪ アンチテーゼ」より
紅白の生演奏は…!? 2008.12.23
以下引用です。

紅白における生演奏の伴奏は、一昔前までは会場内のオーケストラピットで演奏していたそうなんですけど。 なんと近年は違うスタジオで演奏して、それを会場にラインで繋いで音を出しているそうです。 さらに、バンドはビッグバンドとストリングスの2つに分かれて演奏するというのだからビックリ。
(引用終わり)




すごいですね、ふた手に分かれて生演奏していたそうです。
NHK506スタジオとは別にもう一つ、テレビに映らなかったストリングスの方達の居る演奏スタジオがあるということですね。そちらのスタジオも見たかったです。


■NHK506スタジオの広さは、13人の演奏者+指揮者+機材+香取慎吾
で大体いっぱいになるというサイズでした。
演奏者の周りを香取慎吾やカメラマンが歩く程度のスペースの余裕はたっぷりあるように見えました。
天井が高く、壁が一部ガラス張りになっていて、ガラスの向こうに指示する人が居るというテレビでよく見かける形の録音スタジオでした。


NHK506スタジオは、紅白歌合戦が行われる「NHKホール」の隣にある「NHK放送センター」内のスタジオの一つです。

Wikipedia「NHK放送センター」の項より引用

CRスタジオ
506スタジオ … 音楽収録用スタジオ。ラジオ用音楽のほか、大河ドラマやNHKスペシャル等の番組サウンドトラックの収録も行われている。「NHK紅白歌合戦」の生演奏(担当は三原綱木とザ・ニューブリード)もここで行われる。
(引用終わり)




別の建物の中で行われている生演奏が、紅白歌合戦の会場に響いているということに驚きました。
膨大な下準備の上に紅白歌合戦が成り立っているのだと思いました。


■最後になってしまいましたが…

あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
拍手を押してくださった方、どうもありがとうございました。

全日本フィギュアOP、Mステ、ファフナー 美しい光のCG効果 

■CGで作られた「光を放つもやもやとした筋」という画面効果
が流行っているのでしょうか、たまたま見掛けただけでしょうか。12月25日の夜と26日の夜の計数時間に3回テレビで見掛けました。
綺麗な画面効果なので、流行っているのだとしたら嬉しいです。
(私が知らなかっただけでよく使われる効果なのかも知れません)


光る筋のCGを見掛けた番組
・パナソニック「パルックプレミアL」CM(15秒)全編フルCG
(蛍光灯が光の軌跡を描きながら宙を舞うCMです。0分10秒のところの光の軌跡の広がり方がもやもやしていて綺麗でした。1秒ほどの短いカットです)

「2008 全日本フィギュアスケート選手権大会」
(12月25日~27日 フジテレビで3夜連続放送)の番組オープニング映像
(もやもやとした光る筋が美しく画面の中を流れたあと出場選手が一人映り、また光る筋が流れたあと次の選手が映り…という実写+CG映像です)

・12月26日放送 テレビ朝日「ミュージックステーションスペシャル スーパーライブ2008」
ポルノグラフィティ「今宵、月が見えずとも」演奏中の背景のCG
(幕張メッセに作られた舞台セットの大画面に流れるCG映像)


■2004年にテレビ東京で放送されていたアニメ「蒼穹のファフナー」で同様の画面効果が使われており、とても綺麗だったので印象に残っています。

「蒼穹のファフナー」アイキャッチより
(クリックで拡大します)
「蒼穹のファフナー」より
「蒼穹のファフナー」より

静止画だとわかりませんが、水の中を映しているという設定のアイキャッチです。
光の筋がゆっくりと動く様子が綺麗です。
透明感、奥行き感、泡の動きの表現、貼り付けたような光ではなく発光している感じ、そのどれもが上手く表現されていて、とても丁寧に作られたアイキャッチだと思います。


拍手を押してくださった方、どうもありがとうございました。

「BABY SMAP - ベビスマ」 リアルな動きのCG 

■重さを感じさせるリアルな動きのCG

フジテレビ『BABY SMAP』(ベイビースマップ/ベビスマ)
毎週日曜日 24:25~24:35放送(変動あり)


「BABY SMAP - ベビスマ」
フジテレビ『SMAP×SMAP』の中で毎週流れる「ブリッジ」※の制作過程から完成までを見せる数分間の番組です。毎週日曜深夜(月曜午前0時台)に放送されています。

(※ブリッジ…「SMAP×SMAP」内のコーナーとコーナーの間に流れる10秒間の映像作品。アイキャッチと似ています)


スマスマ内で流れるブリッジの特徴は、

・毎週ちがう映像クリエイターが制作している。
・毎週ちがうテーマに沿って作られる。
・SMAPメンバーの映像やイラストは使用されない。(ベビスマ放送開始の2007年4月~現在)
・必ず「SMAP×SMAP」のロゴが画面いっぱいに出て終わる。
・CGを使って作られた作品が多い。(実写作品もあります)

などだと思います。

この番組で放送されたブリッジは、当日か翌週の「SMAP×SMAP」内で使用されることが多いです。


■2008年12月15日放送の「ベビスマ」について書きたいと思います。
この日に放送されたブリッジは、
「テトパペット」(10秒)
フルCGの映像です。木製の犬とうさぎの人形劇が舞台です。犬とうさぎの目の前に木製の卵が現れ、卵が割れて「SMAP×SMAP」のロゴが出てくるというストーリーです。

(再現イラスト)
「テトパペット」

リアルな動きが印象的な作品です。
犬とうさぎの人形は胴体に手足がぶら下がっているというデザインで、人形が動くと手足が揺れます。この手足の揺れ方が、木の重量を感じさせてリアルです。


■このブリッジは「アナログ」というテーマに沿って作られていました。
(番組内では「アナログチック」と言っていました)
CGであえてアナログのような映像を作るという面白いテーマです。

今回作品を制作したのは、若手クリエイター集団「合同会社テトラ」
(2007年設立。主に映画・CMのCG制作をしている会社だそうです)
綺麗なオフィスに社員8人ほどが映りました。

今回のブリッジは「テトラ」の社員3名で作ったそうです。
(「ベビスマ」で紹介されるブリッジ制作者は1人で映像を作っている人が多いです)

ディレクター:谷口充大
デザイナー/アニメーター:川戸麻紀 キャラクター作りを担当
デザイナー/コンポジター:出口耕平 最後の仕上げを担当



キャラクター作りで大切にしていることは?という質問に、キャラクター作り担当の川戸麻紀さんが
「かわいらしさはもちろん出して、何よりリアルにできるように細かい動き、人には見えていないような動きまできちんと見るようにして、それを映像に反映できるように心掛けています」

と答えていました。それであの動きが生まれたのですね。
リアルな動きのCGは、動きにこだわりのある方が作っているのだと思いました。

動きは具体的にどうやって付けるのか知りたかったのですが、そこは放送されませんでした。



■制作過程(カッコ内は番組を見て思ったことです)
1.世界観を作る。[担当:谷口充大]

谷口「(番組から出された『アナログチック』というテーマに沿った作品を作るため、)アナログに関する古い映像をたくさん見ることから始めました」


2.絵コンテを描く。[担当:谷口充大]

(谷口さんが描いた絵コンテが映りました。この時点でイントロからラストまでのストーリー、演技、何がどう動くのかが細かく決まっています。
谷口さんが考えた映像を実際に作るのが川戸さんと出口さんのようです。
2体の人形が「犬」と「うさぎ」であることや、犬とうさぎの大まかなデザインは谷口さんが決めているようです。
犬は4足でうさぎは2足歩行、棒で支えるタイプの人形、うさぎの耳の形、などは既に谷口さんの絵コンテに描いてありました)


3.キャラクターを作る。[担当:川戸麻紀]

(犬とうさぎの人形をデザインして3DCGに起こす。人形のCGに動きを付ける。
制作途中のCGが映りました。完成作品ではなめらかな曲線を描いていた人形の輪郭はまだ角張っており、動きも未完成のものが見られました。
木目のテクスチャを貼っていないせいか、この時点ではまだ完成作品のようにリアルには見えません)


4.質感を作る。[担当:出口耕平]

出口「実際にこういう木のテクスチャー…写真を撮ってきて、それを貼り付けたいと思ってます」


■合同会社テトラ作「テトパペット」は12月15日放送のスマスマ内では流れませんでした。
恐らく次回放送のスマスマで使用されるのではないかと思います。



■ところで
上記の文章を書いたあと合同会社テトラについて書かれたページを読んでいたところ、あれ?と思うことがありました。

「トライデント コンピュータ専門学校」のサイト
卒業生が起業!CG制作会社“テトラ”取材
より以下引用です。

川戸麻紀さんは、2003年のシーグラフ(SIGGRAPH 2003)で専門学校生初アニメーションシアター選出されました。
『人形劇』
(引用終わり)



上記のページの下のほうの、川戸麻紀さんの紹介のところにある『人形劇』と書かれた写真を見てみてください。
これは今回「ベビスマ」で放送された「テトパペット」とまったく同じCGです。
正確には「テトパペット」には鳥と太陽は出てきませんでしたが、それ以外は同じです。
上記の記事と、

「トライデント コンピュータ専門学校」サイトより
CGコンテスト実績

■SIGGRAPH
世界で最も有名なCGのイベント。
その年に制作された映画のCGパートやゲームのオープニングムービーが選出される。
2003年は日本から3作品が選出され、学生ではトライデントの川戸麻紀さん「人形劇」だけが選出された。
(引用終わり)



こちらの記事とを読むと、川戸麻紀さんの『人形劇』という作品は2003年に作られたもののようです。
今回のブリッジは、川戸麻紀さんが2003年に作った背景・キャラクター・動きのパターンなどを再利用して、SMAP×SMAP用に作り直したということでしょうか。

番組ではスマスマのために一から新作を作り上げたように見せていましたが、よく考えてみれば「SMAP×SMAP」は完成度の高いブリッジを流したいでしょうし、「合同会社テトラ」はたくさんの人が見る場に最高の作品を提出しなければならなかったのでしょう。
または「『人形劇』をベースに」と番組から頼まれたのかも知れませんね。


■メールフォームを設置しました。パソコンで見て画面右側のメニューの下のほうにあります。
ご意見、ご感想などお気軽にお送りください。



(※2009年1月20日追記)
2009年1月19日放送『SMAP×SMAP』内で、ブリッジ「テトパペット」が放送されました。
年末年始を挟んだとは言え、「ベビスマ」放送から実に一ヶ月以上経過してからの満を持しての放送となりました。

この日のスマスマはプロゴルファー石川遼選手をゲストに迎え、放送時間拡大のスペシャル版でした。(22:00~23:09放送)
通常放送より高い視聴率が予想される回だと思います。


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