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木村拓哉「日清カップヌードル」CM どの部分がCG合成か図解 

■一見海外ロケのように見えますが、木村拓哉の出演部分は背景がCG合成です。

日清食品「カップヌードル」CM
『DREAM! オーストラリア』篇(30秒)

CMデータ
放送開始日:2009.2.1~
放送地区:全国
出演:木村拓哉
楽曲:「(Just Like) Starting Over」
(日清食品公式サイトより引用)



こちらでCM動画が見られます。
日清食品|CM NOW on AIR

YouTubeではこちらで(別窓で開きます)
【CM】日清カップヌードル「DREAM!オーストラリア」篇
45秒(30秒バージョン+15秒バージョン)

日清カップヌードルCM「DREAM! オーストラリア」篇 - YouTube (30秒)


リュックを背負った旅人姿の木村拓哉が、真っ青な海に囲まれた島の砂浜でカップヌードルを食べるCMです。

テレビから少し離れた場所でこのCMを見て、普通に海外ロケだと思っていました。
ところがテレビの近くでちゃんと見たら、

こ……これ合成だ

なんと木村拓哉はスタジオ撮影でした。
木村拓哉に当たる光は太陽光ではなく、スタジオの照明です。
周りの風景と馴染ませるため、木村拓哉をわざとぼやけさせています。
キムタクの質感が周囲に比べてのっぺりしているのはそのためです。
自然な出来映えでびっくりしました。

どこがCG合成なのか書き出してみました。


30秒バージョンは、全部で17のカットから成っていました。
(ラストの「真っ白な背景に日清50周年のロゴが出る」カットを除く)

1カット目…海の遠景(砂浜を歩く木村拓哉の後姿が米粒のように小さく映る)
2カット目…砂浜を歩く木村拓哉(膝から上のショット)
3カット目…ボートから手を振る子供が2人
4カット目…両手を振り返す木村(バストアップ)
5カット目…子供「潮が満ちるぞ!急いで!」
6カット目…足元を見る木村(バストアップ)
7カット目…木村の靴のアップ
8カット目…走り出す木村(バストアップ)
9カット目…海辺を走る木村を横から撮る(全身ショット)
10カット目…走る木村(バストアップ)
11カット目…海の遠景(走る木村の後姿が米粒のように小さく映る)
12カット目…木漏れ日
13カット目…砂浜に寝転ぶ木村(顔アップ)
14カット目…砂浜に寝転ぶ木村(全身)
15カット目…海をバックにカップヌードルを食べる木村(顔アップ)
16カット目…手を振る子供2人(バストアップ)
17カット目…手を振り合う木村と子供2人(ロングショット)
ラスト…「日清50周年」ロゴ

太文字の部分は背景がCG合成されているカットです。
合成カットは9つありました。

(すみません、携帯から閲覧の場合は太字が反映されません。合成部分について下に詳しく書きます)

「木村拓哉の顔が映っている」+「背景に海が映っている」
この条件を満たしたカットは、背景がCG合成だと思って間違いなさそうです。




・1カット目…海の遠景(砂浜を歩く木村拓哉の後姿が米粒のように小さく映る)
(YouTube動画の0秒~0分2秒の部分)
日清カップヌードルCM

・11カット目…海の遠景(走る木村拓哉の後姿が米粒のように小さく映る)
(YouTube動画の0分16秒~0分18秒の部分)
日清カップヌードルCM

【合成なし】
この2つの遠景カットの人物は合成に見えないので、恐らく木村拓哉とは別人で撮影していると思います。

この2つのカット、同じ場所で引き潮の時と満ち潮の時にそれぞれ撮影しているんですね。
しかも砂浜が海に挟まれて道のようになっているという絵になる景色です。
この景色を実写で撮影しているだけでもこのCMはすごいと思います。



・2カット目…砂浜を歩く木村拓哉(膝から上のショット)
(YouTube動画の0分3秒~0分5秒の部分)
【実写の背景に木村拓哉を合成】
ふわっと風の吹くタイミングが上手くて、本当に屋外に居るような感じがよく出ています。



・7カット目…木村拓哉の靴のアップ
(YouTube動画の0分10秒~0分11秒の部分)
【合成なし】
恐らくこの時映る足は木村拓哉本人の足ではないと思います。



・9カット目…海辺を走る木村拓哉を横から撮る(全身ショット)
(YouTube動画の0分12秒~0分14秒の部分)
日清カップヌードルCM

【実写の背景に木村拓哉を合成】
一番驚いたのはこのカットです。
木村拓哉はもちろん実写、背景も実写(合成)、そしてなんと足元の水しぶきも実写です。
一体どうやって撮影・合成されたのかまったくわかりません。

日清食品|CM NOW on AIR
より以下引用です。

水上を疾走するシーンの迫力も是非ご覧ください。
(引用終わり)



「このカットに注目して」と言いたくなるのもわかります。


接地面をどうするか?
人物と背景がCGで合成されている場合、「地面と靴底が接する部分」。これはどうしても不自然になってしまいます。
この海辺を走るカットは、上手い具合に靴底と地面の接する部分が映らないように撮られています。

地面と接する靴底がいつも画面外にあります。
日清カップヌードルCM
日清カップヌードルCM
日清カップヌードルCM

このカットは本当にすごくて、
足元の水しぶきが木村拓哉側のものなのか
(スタジオに水を入れて撮影し、水しぶきごと背景に合成したのか)、
背景側のものなのか
(代役が海に入って水しぶきを上げながら走り、代役をCGで消したのか)、
それすらわかりません。
恐らく前者かと思いますが……すごいとしか!



・10カット目…走る木村拓哉(バストアップ)
(YouTube動画の0分14秒~0分15秒の部分)
日清カップヌードルCM

【実写の背景に木村拓哉を合成+CG】
画面左下に水しぶきが映っていますが(画像ではちょっとよく見えません)、これはCGでした。
(水しぶきのみ1からCGで作って画面に合成されている)



・14カット目…砂浜に寝転ぶ木村拓哉(全身)
(YouTube動画の0分22秒~0分24秒の部分)
日清カップヌードルCM

【実写の背景に木村拓哉を合成】
これもすごいです。実写同士(海辺と木村拓哉)を合成しているのですが、どこが境い目なのかわかりません。
木村拓哉の体と砂浜との境い目が自然なので、たぶん砂浜のどこかで背景と繋いで馴染ませているのでしょう。背景と木村拓哉とのアングルがぴったりと合っていてすごいです。
手前の木も合成です。



・17カット目…手を振り合う木村拓哉と子供達(ロングショット)
(YouTube動画の0分27秒~0分29秒の部分)
日清カップヌードルCM

【実写の背景に木村拓哉を合成】
画面右の木村拓哉と木が合成です。
子供達と木村拓哉の質感・色調が違い、木村拓哉はのっぺりしています。


■人物と背景を合成している場合、背景と馴染ませるために人物の肌の色が濃くなっていたり、
質感が失われて透明感がなくなるのが特徴だと思います。



日清の公式サイトにはこんな風に書かれていました。
日清食品|CM NOW on AIR
より以下引用です。

第3弾の見どころは木村さんがカップヌードルを食べるシーン。
お腹が空いた状況でカップヌードルを食べるカットの撮影では、豪快に麺をすする姿に、現場にいたスタッフも思わず「美味しそう」と思ってしまうほどでした。また水上を疾走するシーンの迫力も是非ご覧ください。
ロケ地は、オーストラリアの東海岸アーリービーチから船で1時間ほど進んだところにある「ラングフォード島」。潮が満ちると島から伸びる道が消えてしまうという、世界でも珍しい場所で今回の撮影は行われました。満潮時には完全に道が海に沈んでしまうため、潮の満ち引きを考えながら、限られた撮影時間のなかで撮影は行われました。
(引用終わり)



やはりイメージを壊さないためでしょう、合成ということには触れず、でも嘘ではないという内容が書かれています。
木村拓哉を撮影した「現場」とは日本の撮影スタジオのことだと思います。



背景をCG合成すると人物がのっぺりする訳

「ALWAYS 続・三丁目の夕日」
(2007年 日本)
監督:山崎貴


【インタビュー】2008/05/26
昭和34年の日本をVFXで再現『ALWAYS続・三丁目の夕日』- 山崎貴監督に訊く
1 どのシーンをどんな手法で撮るか
2 映画でVFXを使うことの意味

(リンク先はCG合成に関する山崎貴監督のインタビューです、面白いです。「接地面」の違和感をなくすための工夫についても語られています)

こちらの記事から以下の画像を引用しました。
(クリックで拡大します)

背景合成前
「ALWAYS 続・三丁目の夕日」合成前

背景合成後
「ALWAYS 続・三丁目の夕日」合成後

背景が合成された途端、画面に奥行きと広がりが増すのがすごいですね。

今回は合成前と合成後の人物の肌・洋服の質感に注目してみます。

背景合成前
自然な質感、自然な肌色、自然光の当たり具合によって出る微妙な陰影が見て取れ、カメラと人物との間に距離感・空気感も出ています。
左手前に居る小日向文世さんのスーツの生地の厚みや硬さ、布地に触った時の手触り、それぞれの人が着ている洋服を手に持ったらどんな重さか、そんなことも伝わって来る気がします。

背景合成後
合成後の画像を見ると、背景が合成されただけでなく人物の質感も変わっています。
上記のものが削ぎ取られ、どの人物も肌の色、質感、陰影が均一になっています。
全員似たような肌の色になっていますね。ピンク掛かっています。
自然光が当たっている感じもしなくなり、屋外での撮影にも関わらずまるでスタジオ撮影したように見えます。
カメラと人物の間にあった距離感もなくなり、カメラとの間にどのくらいの距離があるのか、人物は本当にそこに立たせて撮影したのか、といった現実感がなくなっています。

このように人物の色調を調整したり質感をのっぺりとさせるのは、
人物(実際にそこに居る)と背景(合成)との質感の差をなくすためです。
画面全体を同じようにのっぺりさせないと、人物にだけ現実味があり、背景が浮いてしまうからだと思います。
合成カットの質感の情報量が減ってしまうのはその結果だと思います。





(2009年12月1日追記)

11月29日(日)のフジテレビ「笑っていいとも!増刊号」にて、
「日清食品カップヌードルCM『DREAM! オーストラリア篇』は、
木村拓哉がスタジオ撮影で、背景はCG合成」

という内容が放送されました。

この「オーストラリア篇」がCG合成だと明かされたのは初めてだと思います。
撮影時の話がとても面白かったです!
番組を録画していたので、放送内容を書き出しました。


■2009年11月23日(月)放送「笑っていいとも!」

テレホンショッキングゲスト:木村拓哉

11月23日の生放送CM中に木村拓哉が語ったCM撮影裏話が、
11月29日の「いいとも増刊号」にて放送されました。

まず、実写映画「宇宙戦艦ヤマト/SPACE BATTLESHIP ヤマト」
(監督:山崎貴/主演:木村拓哉)
の合成カットの撮影について語られていました。

木村拓哉談:
実写版「宇宙戦艦ヤマト」は、CG(VFX)を多用している。
VFXの撮影はブルーバックやグリーンバック(合成素材を撮影する際の背景)で行う。
何もない場所で撮影するので、完成したらどんな映像になるのか
俳優陣は想像するのが難しい。

山崎監督「ここに木星があります」

山崎監督「木星はこれくらいの大きさです」
(レーザーポインタで壁に円を描きながら)

と監督から説明を受けるが、これだけではイメージが沸きにくい。

木村拓哉「木星はどんな風に見えるんですか」

そこで山崎監督がノートパソコンを持って来て、
「まだラフなんですけど」
と言ってパソコンを開くと、そこには木星のCG映像が。
役者が完成映像をイメージできるよう、作っている途中の
CG映像を見せてくれるのだ。

他のシーンでも「ヤマトはこういう場所を突き進んでいきます」
ラフに作ったCG映像を見せてくれる。
こうして山崎貴監督は、視覚情報や、演技に入り込むための気分を
僕らに提供してくれる。



そこで、カップヌードルCMの撮影話が出ました。


画面に「CM中」のテロップ。以下、木村拓哉談(11月29日放送)
(※しゃべった言葉をそのまま書きました。補足は下に)

今回のヤマトに関しては、グリーンの僕らの背景になってる部分は
コンピューターで見ることができるんですけど。

これは増刊号で流れてしまうのかどうかわからないんですけど、
某CMで、世界各国へ行っているシチュエーション(※1)があって、
自分の目の前に巨木がそびえ立っていたり(※2)とか、
アラスカ大陸を犬ぞりで走ってみたり(※3)とか、あるんですけど。

CM監督「少年達があそこで手を振っています」(※4)

っていうところにバッテンのガムテープが貼ってあるっていう。

CM監督「あそこで少年達が、『走らないと危ないよ』(※4)ということを言ってくれます」

木村「はいわかりました」

CM監督「本番!!」

っていうこともあるんです。


タモリ「(木村に対し)そうだよね。(観客・視聴者に)普通そうなんですよ」



補足:


(※1)

某CMで、世界各国へ行っているシチュエーションがあって、


■日清カップヌードルCM「DREAM!」シリーズのこと。
現在までに5本放送されている。

第1弾「DREAM! アフリカ」篇
第2弾「DREAM! アラビア」篇
第3弾「DREAM! オーストラリア」篇
第4弾「DREAM! ベーリング海峡」篇
第5弾「DREAM! 北米大陸」篇
(すべて、出演:木村拓哉)



(※2)

自分の目の前に巨木がそびえ立っていたりとか、


■第5弾「DREAM! 北米大陸」篇のこと。
(木村拓哉が森の中で巨大な木に出会うという内容)



(※3)

アラスカ大陸を犬ぞりで走ってみたりとか、


■第4弾「DREAM! ベーリング海峡」篇のこと。



(※4)

CM監督「少年達があそこで手を振っています」


■本記事で書いています、第3弾「DREAM! オーストラリア」篇の
3カット目…ボートから手を振る子供が2人
16カット目…手を振る子供2人(バストアップ)
17カット目…手を振り合う木村と子供2人(ロングショット)

のこと。


CM監督「あそこで少年達が、『走らないと危ないよ』ということを言ってくれます」


■同CM、
5カット目…子供「潮が満ちるぞ!急いで!」
のこと。



合成カットを撮影する際、完成に近い映像を見せてもらえて
イメージを膨らませられることは稀で、通常は、完成形が見えない状態で
壁に貼られたガムテープを子供だと思って演技をする。
という趣旨のお話でした。



■CG合成だと木村拓哉が公言しているCM

■世界を旅するシリーズのCMは5本とも、背景は海外ロケで、
木村拓哉はスタジオ撮影です。

今回話題に上ったオーストラリア篇の他、
第1弾「DREAM! アフリカ」篇と
第5弾「DREAM! 北米大陸」篇については、
木村拓哉がラジオ番組でCG合成だと明かしています。


文化放送『STOP THE SMAP』(2008年10月1日放送)より

「アフリカ行ってたから焼けてるんだ」って言われるんですけど
これは…千葉焼けです。

カップヌードルの「DREAM! アフリカ篇」は
調布の大映スタジオで撮影しました。


CM動画(30秒):
日清カップヌードルCM「DREAM! アフリカ」篇 - YouTube
(木村拓哉がアフリカの広大な大地で日の出を見るという内容)
日清カップヌードルCM「DREAM! アフリカ篇」より



TOKYO FM『木村拓哉のWhat's up SMAP』(2009年9月18日放送)より

俺、色んなところに行ってる設定になってるんですよ。
カップヌードルでは巨木に触れてますけど、行ってみたいくらいですね。


CM動画(30秒):
日清カップヌードルCM「DREAM! 北米大陸」篇 - YouTube
(木村拓哉が森の中で巨大な木に出会うという内容)
日清カップヌードルCM「DREAM! 北米大陸篇」より

巨木の詳細:
アメリカ/カリフォルニア州セコイア国立公園内にある
ジャイアントセコイアという世界最大級の太さを誇る木。
高さは約75m。樹齢はおよそ800年。(カップヌードル公式サイトより)



■合成技術も、俳優さんもすごい!と改めて思いました。
追記は以上です♪


拍手を押してくださった方、どうもありがとうございました。


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「富士ゼロックス」CM どこまで実写で、どこがCGかを解説 

■「ほぼ実写です」と報道されていますが、一番高くジャンプしている部分はCGです。

富士ゼロックスCM
「Baloon篇」(You & Fuji Xerox)
出演:
「Fuji Xerox」役:Shane Witt
「YOU」役:Daniel Catlow
放送:2008年11月15日~


富士ゼロックスCM「Baloon篇」

外国人男性2人がシーソーの上で代わる代わる空高くジャンプし、
女の子の飛ばしてしまった赤い風船をついにキャッチするというCMです。


こちらでCM動画が見られます。
富士ゼロックス株式会社 広告作品紹介

YouTubeではこちらで
富士ゼロックス「Baloon」篇(60秒)
(YouTube動画へのリンクです。別窓で開きます)


■大まかなまとめです。
・CMのほとんどのシーンは実写。
(「PR TIMES」、「朝日新聞」より)

・ジャンプしている男性は、ヨーロッパを中心に公演を行なっている4人のパフォーマー集団“TOM TOM CLUB”の2人。
音楽を組み合わせたアクロバティックなショーで有名。

(「富士ゼロックス」公式サイトCM情報から引用)

・撮影場所はオーストラリアのシドニー。
(「PR TIMES」より)


メディアではこのように報道されています。
「PR TIMES」より以下引用です。
~パートナーがいれば、可能性は拡がる~Solution for you
 富士ゼロックスの新TVCM “「BALLOON」篇”
 11月15日(土)から全国一斉O.A開始

今回のTVCMの見所は、あなた(YOU)と男性(FUJI XEROX)がシーソーで空高く舞い上がり、飛んでいる風船を掴む場面です。
このシーンのほとんどの部分で実写の映像が使用されています。
(引用終わり)



また、朝日新聞では、
「映像をよく見せるためにCGを使い、後のほとんどは実写」
という風に書かれていました。



どの部分がCGなのか知りたくて、CMをよく見てみました。
CGが使われているのはこの部分でした。

このカットと、
富士ゼロックスCM「Baloon篇」
(YouTube動画で0分33秒~0分34秒の部分)


このカット。
富士ゼロックスCM「Baloon篇」
(YouTube動画で0分35秒の部分)

このCMで一番印象的な、2人が最も高くジャンプする場面です。


こうして静止画で見ると、その異常なジャンプの高さに一目でCG合成だとわかります。
ところがCMを動画で見ると、カットを切り替えるタイミングのあまりの上手さ、流れの自然さによって、まったくCGに見えません


■このカット、通常のCMならこうやって撮影するのでしょう。
1.グリーンバック(合成素材を撮影する際の背景)の前で、役者をスタジオ撮影する。その際、役者には10センチくらいジャンプしてもらう。

2.10センチのジャンプを数メートルジャンプしたようにCG加工する。

3.その映像を街中の景色に合成する。

という風にCGでジャンプの飛距離を伸ばすのが一般的ではないかと思いますが、
この方法だと空中での落下速度などの動きが不自然になるため、すぐにCGだとわかってしまいます。

そこで、このCMではCGでジャンプの動きを加工することはせず、カット割りのタイミングと
映像の切り貼りを駆使して、まるで実写そのままであるかのように見せることに成功しています。


■この2つのカットは両方とも、シーソーからジャンプする瞬間と、シーソーに着地する瞬間がカットされています

(上はクリックで拡大します)
富士ゼロックスCM「Baloon篇」

富士ゼロックスCM「Baloon篇」

このように、男性が空中に浮かんでいる遠景ショットの前後でカットを割っています。
「空中に居るところ(遠景)」と、「踏み切りと、着地/風船をキャッチ」が別撮りなのがわかると思います。

なぜかと言うと、飛び上がる瞬間と着地する瞬間は遠景カメラでは見せられないからです。



ジャンプの動き(モーション)は実写をそのまま使って、高さだけをCGで変えています。

撮影時のジャンプ(推測):
実際はここからここまでジャンプした映像を、
撮影時のジャンプ(推測)


CMで映るジャンプの位置:
CGで人物だけ切り取り、そのまま上にずらして貼り付けています。
CG加工後のジャンプ
(赤線の部分からジャンプし、赤線部分に着地)



■本当は画像の赤線部分が地面であるため、赤線より下に男性が落下していくところを見せたくても映像が存在しないわけです。
赤線から下は見せない



ジャンプした距離と、動きそのものはCG加工されていません。
ジャンプの上昇・落下の動きが自然です。

恐らくこのカットは街中にグリーンバックを立てて撮影され、
2人の男性の向こう側に見える建物は、後から実写をはめ込み合成しているのではないかと思います。
CGが使われた部分は、ジャンプする男性の切り貼りと、背景の合成だと思います。



■グレーのジャケットの男性(「Fuji Xerox」役:Shane Witt)が
一番高くジャンプするシーンについて。(YouTube動画の0分33秒~0分35秒

3カット、計2秒間のシーンです。
「シーソーからジャンプするカット」
「空中に浮かぶ男性を遠景で映すカット」
「着地のカット」

の3カットを一連の流れで見ると、ジャンプしてから空中に浮かぶカットに切り替わるタイミングが絶妙で、本当に高く飛んだように見えます。
まったく不自然さがありません。

ところが、「シーソーからジャンプするカット」が終わったところでCMを一時停止して、「空中のカット」(約1秒間)だけを再生して見てみると、なんだか不自然です。
また、空中のカットを静止画で見てもなんだか不自然に見えます。

これは、
「地上2メートルの高さまでジャンプして体が上昇する時のスピード」
「地上2メートルの高さまで飛び、落下する時の人間の体勢」
のまま、地上6~7メートル(?)の高さに男性が居るからだと思います。

また、カメラはローアングルから撮影しているので、実際6~7メートルの高さに人物が居たら、もう少し小さく映るのではないかと思います。
背景に対して空中の男性が大きいのも違和感の原因だと思います。


■違和感と書いてしまいましたが、映像は停めて見るものではなく流れで見るものですから、本当はこのCMは違和感皆無です。

実写のモーションをそのまま使ったことにより、「実写です」と言われても
違和感なく受け入れられる説得力が生まれていると思います。



『TOM TOM CLUB』の普段のパフォーマンス
YouTubeに『TOM TOM CLUB』のパフォーマンスの動画がありました。
TOM TOM CLUB アクロバット(3分8秒)
(別窓で開きます)

(1分7秒の、4人で後転→後ろ向きの体勢で肩の上に乗る部分や、その他繰り返しの部分などは動画を逆再生したもので、実際にこの通りやっているわけではありません)

富士ゼロックスのCMの通り、シーソーを使ったジャンプを見せています。
(0分35秒、1分15秒~1分22秒、2分1秒~2分56秒のところです)
とても高さのあるすごいジャンプですが、CMのようにビルの3階くらいまで届きそうな高さではもちろんありません。(天井の高さのせいもあるかも知れません)
それにしても『TOM TOM CLUB』のパフォーマンスはすごいです。



メイキング映像からわかること
上記の富士ゼロックス公式サイトでは、CMのメイキング映像も見られます。

富士ゼロックス株式会社 広告作品紹介
メイキング(1分)

CM本編の通り、スタジオではなく屋外での撮影です。
メイキング映像の0分17秒のところで、建物の2~3階くらいまでの高さの巨大なグリーンバックが画面の端にちらっと映っています。街の中に設置されています。

グリーンバックが設置してあるということは、CG合成することを前提に撮影したシーンがあるということです。
恐らく一番高くジャンプするシーンのためのグリーンバックではないかと思いますが、
もしかしたらロケ地の景色にCM制作者のイメージ通りでない部分があり、
景色を後で差し替えるためにグリーンバックを置いているのかも知れません。



■「PR TIMES」の
~パートナーがいれば、可能性は拡がる~Solution for you
 富士ゼロックスの新TVCM “「BALLOON」篇”
 11月15日(土)から全国一斉O.A開始

よりCM制作スタッフ名を引用します。

【TVCM概要】
TV-CM名:富士ゼロックス 新TV‐CM “BALLOON”篇
撮影時期:2008年10月
撮影/収録場所:オーストラリア シドニー
放映開始日:2008年11月15日(土)
放送エリア:全国

制作スタッフ
広告会社:タグボート・電通
制作:東北新社
CD:岡康道(タグボート)
PL:多田琢(タグボート)
演出:関根光才(東北新社)
(引用終わり)



拍手を押してくださった方、どうもありがとうございました。

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■拍手を押してくださった方、どうもありがとうございました。

「ミュージックステーション」の果敢な挑戦の歴史【CG篇】 

前回の続きです。
「ミュージックステーション」その1
映像大好き - 「Mステ」 ガクト『GHOST』他 気合の入ったカメラワーク


~ 「ミュージックステーション」 CG合成の歴史 ~

テレビ朝日「ミュージックステーション」
毎週金曜夜8時~生放送



- 1997年 -
生放送で合成に挑戦、惨敗


・SMAP「ダイナマイト」 (1997年3月放送)
香港に居る香取慎吾とMステのスタジオに居る4人のメンバーとを生放送で合成するという試み。
香取慎吾は香港の街中(夜の屋外)からの中継でした。

5人が同じ場所で一緒に踊っているように見えるのが理想だったのだろうと思いますが、
合成された香取慎吾と日本に居る4人との大きさも角度も合っていないのであまり一つの画面の中に5人が居るという感じはしませんでした。
しかし生の映像同士を合成するというのはすごいことだったと思います。

数年後にSMAPがMステに出演した際、「あの合成はひどかった」とネタにしていました。

香取慎吾だけ大きい
Mステ SMAP「ダイナマイト」

(衣装はイメージです)



- 2001年 -
画期的、でも不自然な雪のCG


・桑田佳祐「白い恋人達」
桑田佳祐が歌う生の映像に、舞い落ちる雪のCGを合成するというもの。
生放送の歌番組にCG効果を合成するのは画期的でした。

雪のCGが1パターンしか用意されておらず、カメラが動いても、どのアングルで撮っても、同じ大きさの雪が同じ方向に降る点が不自然でした。

画像はその時のものではなく、別の回のキャプチャ画像にペイントで雪を描き足して再現したものです。

理想:
カメラと被写体までの距離や角度が変わると、雪が大きく見えたり、
Mステ 桑田佳祐「白い恋人達」

雪が小さく見えたり、
Mステ 桑田佳祐「白い恋人達」

降る方向が変わったりします。
Mステ 桑田佳祐「白い恋人達」


実際のオンエア(の再現):
アップでも、
Mステ 桑田佳祐「白い恋人達」

カメラが引いても、
Mステ 桑田佳祐「白い恋人達」

俯瞰の構図でも、
Mステ 桑田佳祐「白い恋人達」

CGの雪だけが構図も変わらずいつも同じ方向に降っています。



- 2005年 -
CGだとわからないくらい自然なCG


・大塚愛「プラネタリウム」
ここで大革新が起こります。「バーチャルCG」(リアルタイムCG、オンエアグラフィックス)という技術の登場です。

カメラの移動と連動して動く3DCG
大塚愛の背後にCGで作られた星空が広がっているのですが、カメラの移動に合わせて星空も自在に角度が変わります。
現在ではニュース番組などで目にする技術です。

上記の桑田佳祐「白い恋人達」の『理想』のような映像が実現したのがこの大塚愛「プラネタリウム」の時です。
ついに「自然すぎてCGに見えない」という現象が起こりました。
生放送のCG合成に果敢に挑戦してきたMステスタッフの理想が実現したのではないかと思いました。

CGで作られた星空が悪目立ちせず自然で、見ていて気が散りません。
それでいて星が美しく曲を引き立てています。
あくまで歌手の背景に徹し、CGだということにも気付かれないというのは理想のCGではないでしょうか。
パッと見では星空がCGではなくセットのように見えました。
でもセットでは無理であろう広範囲に星が広がっていて、CGなしではできない演出でした。

その後、同様の技術を使った演出は倖田來未に一度使われ、それ以降Mステでは見掛けなくなりました。
完成度が高すぎてCGに見えないから無駄だということになってしまったのでしょうか。
それとも準備が大変で多用できないのでしょうか。
倖田來未の時は、人の身長くらいの大きさの複数の宝石が宙に浮かんでいるというようなCGだったと思います。



- 2007年 -
今井翼が画面の中から出てくる


・タッキー&翼「SAMURAI」
この日は今井翼がお休みで、Mステのスタジオに居るのは滝沢秀明のみでした。

タッキーの背後のスクリーンには、事前に撮影された今井翼が映っています。
その今井翼がなんと画面の中から出てきます
スクリーンから抜け出して来た今井翼(録画)がCG合成でタッキー(生)の隣に立ち、2人が並んで歌うというとても面白い演出です。

動画はこちらで
Music Station タッキー&翼「SAMURAI」(3分24秒)
(YouTube動画へのリンクです。別窓で開きます。
リンク先の動画は削除される可能性があります)

今井翼がスクリーンから出てくるのは2分40秒のところです。


この演出のすごいところ
CG合成された今井翼と周囲との角度も大きさも、ぴったり合っています。
CGで作った素材を画面に合成するのとは訳がちがいますよね。
上記の大塚愛の時に使われた素材(星空)はCGなので、カメラの動きと連動してリアルタイムで形を変えられますが、
あらかじめ撮影しておいた実写の今井翼ではそうはいきません。

生放送なのに違和感なく実写同士を合成することが可能なのかとびっくりしましたが、よく見ると今井翼が画面から出てくる前と後とでカメラの動きがちがいます。これが鍵です。


どうやって撮影している?
動画の2分40秒までは、カメラが移動したり引いたり、ズームになったり、クレーンカメラで寄ったりと常にカメラが動いています。
今井翼がスクリーンの外に出てきてからは固定カメラで撮影されています。

録画の今井翼を撮影した時とまったく同じ場所に固定カメラを置いているのでしょう。
だから被写体の角度も大きさも、ぴったり同じにできたのですね。
録画の今井翼も同じMステのこのスタジオで撮影したはずです。

今井翼がスクリーンから出てきている時(2分40秒~3分2秒)は、3台の固定カメラからの映像を
代わる代わる映してカメラが移動しなくなったことを目立たないようにしています。


欠点
さすがに「合成した感」はあり、今井翼が本当にそこに居る感じや、体重までは感じられません。

(紙を貼り付けるように今井翼を画面の上から貼り付けている訳で、体重移動した時の体の微妙な沈み込みや、靴底と床とが吸い付くような重力感をCG合成では再現できないためです)

合成された今井翼と、周囲との色合いも生放送ですから合っていません。

ですが、背景と今井翼との角度が合っていない、今井翼が完全に宙に浮いてしまっている、といった違和感がまったくありません。すごいです。

(これが録画番組であれば、タッキーをはじめ今井翼以外の映像の画質を翼に合わせて落としたり、カラコレ(色彩補正)すればかなり今井翼の質感が周囲と馴染むと思います。)



振り返ってみて

当時一番驚いたのは、2005年の大塚愛「プラネタリウム」の星空の演出でした。
生放送のCG合成がついにここまで!と思いました。

水泳競技の中継で、どのレーンでどの国の選手が泳いでいるかがわかるように
プールの水面に国旗を表示させたり、世界新の表示を赤い線で出したりといった
リアルタイムCGの技術が開発されたのが2001年頃だそうです。


サービス精神旺盛なMステに、CGの技術が追い付いて来たという印象です。
挑戦し続けるミュージックステーションはすごいです。


拍手を押してくださった方、どうもありがとうございました。

「Mステ」 ガクト『GHOST』他 気合の入ったカメラワーク 

■ 「ミュージックステーション」の丁寧に考えられたカメラワーク

・Gacktシングル曲「GHOST」(ゴースト)
2009年1月発売

・テレビ朝日「ミュージックステーション」
2009年1月23日放送


動画はこちらで
Gackt Music Station「GHOST」パフォーマンス 2009-01-23(3分3秒)
(YouTube動画へのリンクです。別窓で開きます。
リンク先の動画は削除される可能性があります)


ガクトがサイボーグを演じながらロボットダンスを踊っています。

ダンスの振り付けや、ガクトのダンスとバックダンサーとの連動など、世界観の完成度がすごいです。
そのパフォーマンスのかっこよさを最大限に生かして視聴者に届けたいという
Mステスタッフの気合が伝わってくるようなカメラワークでした。



ロボットぽさをカメラワークで強調する工夫

動画の0分51秒~52秒(「残酷な出来事が」のところ)で、カメラが一旦右にパンし過ぎてまた左に高速で戻ります。
これはミスではなくわざとだと思います。ガクトのロボットらしいガクっと落ちるような動きを視覚的に増幅する効果があります。


2分8秒~12秒のカット。ガクトの振り付けは、映画「マトリックス」のように動きと動きの間に残像が見えるようなイメージでしょうか。
映像表現を体の動きで再現するという面白い振り付けだと思います。


■ ラスト(2分57秒)はサイボーグの動きが停止するのを表すかのように、音のタイミングに合わせてカメラがガクっと揺れます。
それも被写体がブレるような雑な揺らし方ではありません。
照明と合わせて効果を発揮する丁寧な演出だと思います。
生放送でここまで凝ったカメラワークは他では見られないかも知れません。


事前にスタッフが歌を聴き、ダンスを見て、どこからどこまでをどのカメラで、どんな構図で撮るか決めると思います(カット割り/カメラ割り)。

人の目は細かく割られたカットにせわしなさを感じ、見たい映像が分断されるとストレスに感じることもあります。
Mステの「GHOST」のカット割りは細かいですが、「こう見せたい」という意図が伝わって来るカット割りだと思います。



Mステの凝った演出

生放送なのに曲ごとにセットが変わるというMステの基本からしてすごいですが、
カメラが一瞬歌手の顔のアップになり、次の瞬間カメラが引いたら背景が変わっているなど手品みたいな演出もありました(CGなし)。

・秋川雅史「千の風になって」
カメラが引くと背景が変わっている

・土屋アンナ feat.AI「Crazy World」
土屋アンナとAIを取り囲む檻が消える(2008年)



ワンカットで檻が消える

曲の前半では土屋アンナとAIが檻の中に入って歌っています。
中盤以降、いつの間にか2人の周りから檻が消えています。

動画はこちらで
土屋アンナ feat.AI「Crazy World」(3分11秒)
(YouTube動画へのリンクです。別窓で開きます)

前半 (画像2枚目は檻を上から映したところ)
土屋アンナ feat.AI「Crazy World」

後半
土屋アンナ feat.AI「Crazy World」

土屋アンナの顔にカメラが寄っている間に画面の色調を一瞬変えて
檻のセットが移動していくのを目立たなくさせ、カメラが引いていくと檻がなくなっているという仕掛けです。
檻が消える瞬間をワンカットで見せることにこだわっているのがすごいと思います。


1分43秒のところで、左方向に移動していく檻のセットが一瞬映っています。
土屋アンナ feat.AI「Crazy World」



■ Mステを見ていて感じるのが、歌手がカット割りをよく把握しているということです。
打ち合わせを入念に行っているのかな、など想像が膨らみます。


次回に続きます。
「ミュージックステーション」その2
映像大好き - 「ミュージックステーション」の果敢な挑戦の歴史【CG篇】


拍手を押してくださった方、どうもありがとうございました。

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