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金城武「ジャワティ」CM 巨大な恐竜はCGではなく実物大ロボ 

■巨大な恐竜はCGではなく、なんと体長12メートルの
着ぐるみロボットを使って撮影されています。
実写とCGを併用して作られた、非常に面白いCMです。


ジャワティCM『GREEN』篇より
大塚ベバレジ「JAVATEA(ジャワティ)」
『シンビーノ ジャワティストレート グリーン』CM

『GREEN』篇
出演:金城武
制作:株式会社ロボット(ROBOT)
CG監修:株式会社アイデンティファイ(EYEdentify)
放送開始日:2009年4月17日




ジャワティ公式サイトでCM動画が見られます。
JAVATEA|大塚ベバレジ
(15秒バージョン、30秒バージョン)


YouTubeではこちらで
[CM] 大塚ベバレジ JAVATEA『GREEN』篇 - YouTube (15秒)
(動画内容はジャワティ公式サイトと同じです)


CM内容
外資系オフィスで働くビジネスマン(金城武)は、
同僚の外国人女性から「あなた、本気で闘ったことないんじゃない?」と言われる。

場面変わって金城武の空想の世界へ。
街に巨大な恐竜(ティラノサウルスの親子)が出現し、逃げ惑う人々。
恐竜と同じサイズに巨大化した、ビジネススーツ姿の金城武が
恐竜に果敢に立ち向かう。
手に持った竹刀で恐竜の頭をポコっと叩いて逃げる金城武。

場面はオフィスに戻る。
金城武「そんなことないっす」
同僚の女性「強がっちゃって」

というCMです。

参考:ジャワティストレート グリーン:大塚ベバレジ ニュースリリース



■内容、映像表現ともに、とても面白いCMです。
画期的な点がたくさんあります。

・金城武が背景の車(実写。金城武とは別撮り)に触れ、車が動いている。
(「金城武/スタジオ撮影」と「背後の風景/ロケ」はCG合成)

・恐竜はCGではなく実写。実際に巨大な恐竜の
アニマトロニクスを使って撮影されている。




■どこが実写でどこがCG?

・背景の街並み…実写
・金城武…実写。CGで拡大合成
・恐竜…実写+脚のみCG

なんと、CGで作られているのは恐竜の脚だけです。あとはすべて実写です。


■こちらの写真からもわかる通り、金城武はスタジオ撮影で背景は別撮りです。
金城武:恐竜と竹刀でバトル「ジャワティ」CM - 毎日新聞
写真<3> - 毎日新聞
写真<4> - 毎日新聞



■画期的な映像

一番注目したい点は、
・巨大化した金城武が足元の車につまづく
・その衝撃で車が飛び上がるように大きく揺れ、ボンネットが開く
というところです。

ジャワティCM『GREEN』篇より
重量感のある動きを見る限り、車はミニチュアやCGではなく
実物を撮影していると思います。
つまり、何らかの方法で車を飛び上がらせ、それを撮影し、
その映像の中に別撮りした金城武をCG合成しています。

金城武が本当に車につまづいたかのように見えるほど、
車と金城武との動きのタイミングがぴったり合っています。
互いの動きのタイミングを合わせるのが大変難しい撮影だと思います。



■「さわった車が動く」ことがなぜすごいのか

テレビCMでは、一見何でもない場面でも、人物(実写)と背景(実写)が
CGで合成されていることがとても多いです。
(人物は撮影スタジオで、背景は屋外で撮影して合成するなど)

【過去記事】背景が合成のCM:
読売新聞CM「卓球編」 撮影方法を図解 (2008/08/23)
「25年後の磯野家」瑛太・小栗旬のグリコCM 背景のCG合成 (2008/11/20)
草剛「アリエール」CM 背景のCG合成 (2008/12/11)
明石家さんま「ジョージア」CM カット割りの面白さ (2009/01/29)
木村拓哉「日清カップヌードル」CM どの部分がCG合成か図解 (2009/02/22)
大塚寧々「アットローン」CM 背景のCG合成と透明感 (2009/03/11)
本仮屋ユイカ「南アルプスの天然水」CM ロケは代役?本人? (2009/05/12)
浅野忠信、宮沢りえ「オトナグリコ」CM 背景のCG合成 (2009/05/17)


そのように撮影されるのは、人物が背景に干渉しない場合です。
人物が直接触ることによって背景が動く場合は、
スタジオのセットで背景ごと撮影したり、
背景がCGで作られたりすると思います。
別撮りの物体に触れ、動かしているように見せるのは難しいからです。

ところがこのCMは、同時撮影かと見紛うほど
金城武と車の動きが連動しています。
足と車との位置関係もぴったりで、CGで合成した感がまったくありません。



■どうやって撮影されたか?

飛び上がる車の撮影方法を考えてみます。

「縦に飛び上がるように揺れ、その衝撃でボンネットが跳ね上がる」。
どうすれば車をそのように動かせるでしょうか。


映画『トランスフォーマー』(2007年 アメリカ)の劇中、
主人公が黒い車のボンネットに飛び乗り、
その車を敵のロボットが手で掴んでガタガタと揺らすシーンがあります。

そのシーンは、主人公・車・背景などすべて実写で、
敵のロボットだけがCGでした。
主人公を乗せた車を本当にガタガタと揺らして撮影しているはずですが、
重たい車をどうやって揺らしているのか?が気になります。
『トランスフォーマー』のDVDでこのシーンのメイキング映像が見られました。

1.主人公の乗っている車を重機でガタン、ガタン!と揺らして撮影
2.CGで重機を消す
3.敵のロボット(3DCG)を合成


恐らく「ジャワティ」のCMも、同じような撮影方法が
とられているのではないかと思います。

車を重機で持ち上げるか、クレーンで少し吊り上げてから落とし、
CGで重機を消しているのではないでしょうか。



■撮影に使われた巨大な恐竜

『Walking with Dinosaurs The live experience』という、
巨大な着ぐるみ+遠隔操作ロボットによる、イギリスの恐竜ライブショーがあります。
CMで使われているのは、このショーの恐竜です。
『Walking With Dinosaurs』より

動画はこちらで
Walking With Dinosaurs(ウォーキング・ウィズ・ダイナソー) - YouTube (1分)



CMで使われているのは、こちらの動画のティラノサウルス(T-Rex)です。
T-Rex Walking with the Dinosaurs(ティラノサウルス) - YouTube (49秒)

動画を見るとわかりますが、『Walking With Dinosaurs』の
恐竜ロボットはものすごく巨大です。

『Walking With Dinosaurs』より
(画像手前に人が居ます)
なめらかで繊細な動きからは想像もできない巨体です。

『Walking With Dinosaurs』オフィシャルサイト(音が出ます)によると、
「TYRANNOSAURUS REX(T-REX)Size:12メートル」と書かれています。


どうやって恐竜を動かしている?
恐竜の足の間にある細長い車に人が乗り込み、
運転して恐竜を移動させています。


■「ジャワティ」の大塚ベバレジやCM制作会社は、CMに登場する恐竜の
撮影方法について詳細を一切公表していません。
CGではないことも、『Walking With Dinosaurs』のショー用の恐竜を
使用していることも、私の推測です。以下で検証していきます。



■CMとの比較

比較
左:ジャワティCM『GREEN』篇より
右:『Walking With Dinosaurs』の記者発表会に登場したティラノサウルス




比較
上:ジャワティCM『GREEN』篇より
下:『Walking With Dinosaurs』動画より


・特徴的な、首周りの柔軟な動き
・精巧に作られた皮膚の質感
・背中側のまだらな緑、お腹の赤みがかった色味
・口が開閉する際の口角のギミック
・上あごの側(目の下の方向)にある出っ張り
・頭部から体にかけてのライン、口元のライン

他、細かな造形の一致を見る限り、同じものだと思います。


■参考:日本の恐竜ロボット
日本の恐竜ロボット
動画:
Giant Robot Dinosaurs from Japan - YouTube (1分56秒)

こちらは無人のラジコンロボットです。すごいです。
全体的に動きが硬い印象ですが、しっかり二足歩行で歩いています。

このラジコンロボットのサイズはこちらの動画がわかりやすいです。
T-Rex Robot(ティラノサウルスロボット/日本) - YouTube (1分33秒)

口の開閉、上体を起こす動きが可能ですが、首周りは動きません。



■子供の恐竜を比較

ティラノサウルスの子供
比較
上:ジャワティCM『GREEN』篇より
下:『Walking With Dinosaurs』より



どうやって撮影されたのか、『Walking With Dinosaurs』の動画を見るまで
まったくわからなかったのが、子供の恐竜でした。

質感、立体感、そこに居る存在感や動きの自然さ、
照明の当たり方から見て、大人の恐竜同様、CGではありません。
しかし着ぐるみやロボットに、このような素早く身軽な動きが可能なのでしょうか。
しかも、金城武を見て後ずさるシーンは、後ろ向きで小走りしています。


『Walking With Dinosaurs』はそれを可能にしていた

Walking with Dinosaurs, The live experience '07 - YouTube (6分3秒)

2007年に行われた『Walking With Dinosaurs』のショーです。
動画の0分41秒~1分2秒では、ティラノサウルスの子供の
・なめらかで素早い動き
・小回りのきいた走り
・頭から尻尾の先までぷるぷる揺らしながら軽やかに後ずさる動作

が見られます。
恐竜の造形も動きも、CMとまったく同じです。


上の動画と同一の着ぐるみによる動画です。
Winnipeg Walking with Dinosaurs animatronics - YouTube (1分6秒)

子供のT-Rex
恐竜の脚の間から、中の人の脚が見えています。
CMでは中の人の脚をCGで消していたのですね。
観客に手招きされてこちらへやって来るしぐさが
なんともかわいらしいです。



■てっきりジャワティのCMは、
・恐竜は人間と同じ背丈の着ぐるみ
・金城武と恐竜を同時にスタジオ撮影
・CGで拡大した金城武と恐竜を、別撮りした風景に合成
だと思っていました。

ところが実際は、
・風景、逃げ惑う人々、巨大な恐竜を同時に撮影
・別撮りした金城武だけをCGで拡大して合成

だったのですね。

リアルにあの大きさの恐竜を使用して撮影していたという、
予想もできない展開に驚きました。
CMでは広角気味に撮影し、恐竜をより大きく見せています。



■恐竜の脚だけがCG

恐竜の後ろ足はCGで作られています。

ジャワティCM『GREEN』篇より

上記カットの、親恐竜の後ろ脚
ジャワティCM『GREEN』篇より

胴体が実写で、腹部の輪郭線から下の脚全体がCGです。
実写の胴体は輪郭がくっきりとしていて、
素材の質感や重さも伝わってきます。
一方、CGで作られた脚は輪郭がぼやけ、脚と背景との境い目がはっきりしません。
まるでカメラのピントが合っていないかのように
全体にぼんやりとぼかしが掛けられています。
立体感や重量感もありません。

しかし、よく見なければわからないくらい違和感がありません。



脚だけCGで作られている理由
この着ぐるみ恐竜ロボットは、構造上すり足で歩くため、
CMのように足を地面から高く上げることができません。
そのため、本来の脚をCGで消し、新たにCGで作った脚が合成されています。

そこには「なんだ、着ぐるみか」と思わせないための
ディテールへのこだわりが見えます。

恐竜が歩いていない(足を持ち上げる必要のない)カットでは、
脚がCGではありません。

このカットの脚は実写
ジャワティCM『GREEN』篇より



■合成技術の高さ

人物の合成技術もすごいです。
背景に人物をCGで合成する際は、接地面(人物と地面が接する部分。靴底など)
が背景から浮いて見え、不自然になってしまうため、極力接地面を映さないと
以前書きました。
ところがこのCMは、金城武と地面との接地面が映っているカットがあります。
地面に対して金城武の足元の角度・質感ともにまったく違和感がありません。



■合成が目立つ部分は隠すことも重要

金城武の足元がはっきり映るカットでは、上手く足が隠されています。

ジャワティCM『GREEN』篇より
金城武の足元が、「走る女性」「手前の植木」で巧みに隠されています。
このカットで金城武の靴が映るのは、靴底が地面に届く前のわずか一瞬だけです。

靴底を隠すため、群衆の走る位置やタイミング、金城武の足を置く位置や歩幅が
綿密に計算されて撮影されています。



■金城武と恐竜が本当に同じ画面の中に居るように見えるリアリティ、
恐竜の頭をポコっと叩いた時の面白さは、もし恐竜が
全身フルCGで作られていたら出なかったのではないかと思います。



■『Walking With Dinosaurs』について詳しく書かれているページ

2009年03月20日 迫力満点!実物大の模型が動く恐竜ショー - 国際ニュース:AFPBB News
より以下引用です。

英ロンドン(London)のO2アリーナ(O2 Arena)で18日、舞台『Walking with Dinosaurs』の記者発表会が行われた。この舞台は、英国放送協会(BBC)の番組をもとに制作された96分間のショー。15匹の動く実物大の恐竜模型たちが登場し、誕生から絶滅までを描く。
(引用終わり)




★究極映像研究所★
2007.02.18 着ぐるみ巨大恐竜ライブショー
  Walking With Dinosaurs - The Live Experience


『Walking With Dinosaurs』の概要、
ショーのクリエーティブスタッフが手掛けた他作品、
巨大着ぐるみの内部構造の考察などが読めます。


モーション研究所
2008年02月08日 CGアニメーションよりリアルな動き【恐竜】

3DCGのモーションを作るお仕事をされている方のブログです。
モーション作りのプロの方の目から見た『Walking With Dinosaurs』の感想は
非常に説得力があり、面白いです。

ライブショー『Walking With Dinosaurs』の動画についての記述を
一部引用させていただきました。ぜひリンク先で全文をご覧ください。

ハリウッド映画で使っても全く問題ないクオリティに
びっくりしました。

ラジコン操作と気ぐるみでここまでリアルに動かすには
細かい間接と素晴らしいプログラミングがあってこそ

例えば3Dアニメーションで表現したらもっと面白いのかと考えたが
この動き見ると勝てそうもない気がする。
クイックな表現や地形に合った立ち方
又は水中に居た場合や格闘シーン、流血などCGしか出来ない表現しか勝てないのでは?


<中略>
動きに引けを取らない質感
3DCGではテクスチャー1枚で終わってしまうが
部分的に違う反射率やウロコ感など実に面白い!

骨構造、筋肉の動きなど、爬虫類の特性を
熟知して無いとリアルな表現は出来ない

3DCGアニメーションには真似できない温度が伝わってきます
もし手付けモーションを作るならこういった生態系や医学知識も時には必要となる
(引用終わり)





■CM制作会社について

株式会社ロボット
今作ジャワティCM『GREEN』篇を制作した株式会社ロボット(ROBOT)は、
映画『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005年)など、
CGを非常に上手く使った作品を数多く制作している日本の会社です。
(「ロボット」は社名で、今回の「恐竜のロボット」とは無関係です)

ROBOT Communications Inc. - 株式会社ロボット公式サイト
ロボット (企業) - Wikipedia

『つみきのいえ』でアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞された
加藤久仁生さんも、株式会社ロボットの方です。


株式会社アイデンティファイ
EYEdentify(アイデンティファイ) - 株式会社EYEdentify公式サイト

News|EYEdentify
より以下引用です。

JAVA TEA “グリーン”
クライアント:大塚ベバレジ株式会社
代理店:株式会社電通
制作会社:株式会社ロボット
制作協力:Cutting Edge Post Pty Ltd.

大塚ベバレジ株式会社JAVA TEAのCM「レッド」篇と「グリーン」篇で、代表の松木靖明がVFXスーパーバイジングを行いました。
(引用終わり)



アイデンティファイは、広告制作業・映像ソフト制作の会社だそうです。
公式サイトを見たら、すごい!どうやって作っているんだろう!と
思ったテレビCMがことごとくこちらの会社の制作でした。



CM制作スタッフ
ジャワティ公式サイトより、CM制作スタッフ名を引用します。

クリエイティブ・ディレクター 古川裕也
プランナー/コピーライター 高木基
プロデューサー 石川夏生/兼清 剛/井上邦彦/中村悟
プロダクションマネジャー 涌井剛/石毛大己/佐藤綾香/寺田衛/菅原直哉
演出 田中秀幸
VFX SUPERVISER 松木靖明
スタイリスト 北村勝彦
ヘアメイク 古久保英人
タレント 金城武
音楽 トライヤード
キャスティング ホイッスル
広告会社 (株)電通
制作会社 (株)ロボット





■恐竜の撮影方法に関する情報

恐竜が着ぐるみなのかCGなのかといった公式情報は、
あえて伏せられているように思います。
わからないほうが、視聴者の興味を引くからかも知れません。

ジャワティ公式サイトのCMメイキングには、
恐竜の撮影方法についての記述はありません。
雑誌『CM NOW』(玄光社)の2009年7-8月号に
このCMのメイキングが載っていて買いましたが、
こちらも恐竜については一切触れられていませんでした。

CM映像を見てわかったことは、
「恐竜は着ぐるみで、脚だけCG」
「金城武はスタジオ撮影」ということだけで、
・恐竜はどんなサイズのものなのか
・子供の恐竜はどうやって動かしているのか
が何度見てもわかりませんでした。


前々回の記事で「SF恐竜ドラマ プライミーバル」について
書いたことがきっかけで、恐竜のアニマトロニクス(ロボット)には
どんなものがあるのだろうと興味を持ち、
偶然『Walking With Dinosaurs』の動画を見つけました。
そこで、この恐竜…あのCMの!と気が付きました。
CMを見てから5ヶ月も掛かってしまいましたが、謎が解けて嬉しいです!


拍手を押してくださった方、どうもありがとうございました。

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面白いブログを知ることが出来るので、開設当初から楽しみに見ていました。
載せていただけてとても嬉しいです(;ω;)


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ブログを見てくださる皆様、いつもありがとうございます!

拍手を押してくださった方、どうもありがとうございました。

恐竜ドラマ「プライミーバル」コマ撮りアニメのようなCG 

CGの恐竜
CGなのに、まるでコマ撮りアニメのような
存在感のある動きが見られるカットがあります。


『恐竜SFドラマ プライミーバル 第2章』

第1話「ラプトル襲撃」
(NHK総合 2009年8月27日 20時~20時43分放送)


原題:『Primeval』
制作:インポッシブル・ピクチャーズ(2007年、2008年 イギリス)

第1シリーズ全6話
第2シリーズ全7話




■イギリスのテレビドラマです。イギリスでは2007年から放送が始まったそうです。

日本では、NHK総合で第1シリーズが今年1月に放送され、
第2シリーズは現在放送中です。(今週木曜日に第2話が放送されます)

参考:
恐竜SFドラマ プライミーバル|NHK総合海外ドラマ - NHK公式サイト
プライミーバル - Wikipedia


(第2シリーズの第1話しか見ていないため、他の回で
コマ撮りアニメ的な動きのCGが見られるかどうかわかりません、すみません。)



■どことなくコマ撮りアニメっぽい動き

動画はこちらで
Primeval Series 2 Episode 1 Part 4.
(『プライミーバル』シリーズ2 第1話 Part4) - YouTube
(5分28秒)

(主人公ニックは調査チームのリーダー。
ショッピングモールのエスカレーター付近でニックは
恐竜(ラプトル)に襲われそうになるが、仲間のスティーブンの撃った
麻酔銃が効いてラプトルは床に倒れる。間一髪助かるニック。
というシーンです。)

■動画の0分36秒~0分45秒の、倒れる恐竜(CG)の重量感に注目して見てみます。

「プライミーバル」シリーズ2 第1話より
恐竜が倒れる時、ゴトッという恐竜の頭部の重さがよく表現されています。
この硬質さを感じさせる動きは、CGではちょっと珍しいのではないかと思います。



「プライミーバル」シリーズ2 第1話より
また、恐竜が奥から手前に歩いてくる際は、
爬虫類的なギクシャクした首の動きが上手く再現されています。


■通常、3DCGの動きは、

・動きがぬめっとしている
・実写に比べて動きがなめらか過ぎるので、不自然に見える
・物体に重さがないように見える。実写のような重量感を表現するのが難しい


という特徴があるように思いますが、
この回に出てくるCGで作られた恐竜は、ストップモーション・
アニメーション(コマ撮りアニメ)を思わせる重量感のある動きが
まれに見受けられます。

爬虫類的なメリハリのある動きを追求した結果なのかも知れません。
子供の恐竜は体が軽そうに、大人の恐竜は重そうに、と
体重を描き分けることができています。


ストップモーション・アニメーション - Wikipedia
より以下引用です。

静止している物体を1コマ毎に少しずつ動かしカメラで撮影し、あたかもそれ自身が連続して動いているかのように見せる映画の撮影技術、技法。アニメーションの一種であり、SFXの一種。コマ撮り(コマどり)ともいう。
(引用終わり)





同じ回の別のシーンで、上記のCGが使い回されています。

動画はこちらで
Primeval Series 2 Episode 1 Part 5.
(『プライミーバル』シリーズ2 第1話 Part5) - YouTube
(9分7秒)

動画の6分30秒~6分32秒
「プライミーバル」シリーズ2 第1話より



上:第1話エスカレーターのシーン
下:同1話の別のシーン

「プライミーバル」シリーズ2 第1話より
恐竜の角度が同じです。



■そのままただ使い回しているのではなく、動きが微妙に変えられています。
先のカットは床で頭が大きくバウンドしていますが、
後者はほとんどバウンドしていませんし、倒れ込む時の頭部の角度も少しちがいます。

「プライミーバル」シリーズ2 第1話より
上のシーンの画像と下の画像とで、恐竜の頭の角度がちがいます。


「プライミーバル」シリーズ2 第1話より
尻尾の描く軌跡もちがっています。

後者の倒れ方は総合して「ぐにゃっ」としており、CGっぽい印象を受けます。



■恐竜がぼやけて見えるのはなぜ?

背景と実写の人物をCG合成する場合は、合成の不自然さを目立たなくさせるため、
人物の質感の情報量を減らしている。(人物にぼかしを掛けている)
そうすることで背景と人物との質感を馴染ませている。
という記事を以前書いたことがあります。

こちらです
Mr.Children「エソラ」PV 2種類の撮影方法 - 映像大好き
木村拓哉「日清カップヌードル」CM どの部分がCG合成か図解 - 映像大好き


以前の記事で触れた映像は、見ても気にならない程度のぼかし加減です。
よく見れば、人物の質感がのっぺりと加工されている。
合成なしのカットと見比べると質感がちがう。という程度です。

『プライミーバル』シリーズ2 第1話では、恐竜のCGにかなり大胆に
ぼかしが掛けられています。
そのため、恐竜は常にピントが合っていないような、ぼやけた感じに映っていますが、
CGっぽい質感が軽減されて見えると思います。



■メイキング映像

Primeval Making-of (season 1) part 3
(『プライミーバル シーズン1』メイキング part3) - YouTube
(9分28秒)

Primeval Making-of (season 1) part 4
(『プライミーバル シーズン1』メイキング part4) - YouTube
(6分09秒)

Primeval Making-of (season 1) part 5
(『プライミーバル シーズン1』メイキング part5) - YouTube
(7分38秒)

メイキング映像の動画です。(英語です)
合成シーンの撮影・演技・人形(ロボット)・CGについて、
俳優の方々や技術スタッフの方々が、それぞれ語っているようなのですが、
英語がわからないので何と言っているのかわかりません(;ω;)
でも映像を見るだけでも面白いです!

合成前の映像と、クリーチャーのCGを合成した後の映像を、交互に見せています。
撮影では、長い棒の先に白い球体を付けたものをスタッフが手で持って動かし、
俳優さんは白い球体をクリーチャーに見立てて演技しています。
棒を持ったスタッフと俳優さんが笑っているシーンは
思わずこちらも笑ってしまいます。

動画に出てくる緑色のトカゲのような小さい恐竜はCGではなく、
ものすごく精巧に作られたロボットで、驚きました。




Primeval Making-of (season 1) part 6
(『プライミーバル シーズン1』メイキング part6) - YouTube
(8分20秒)

こちらのメイキング動画の4分43秒~5分18秒では、
1.撮影時の映像
2.(1)にCGを合成した映像

を数カット分見ることができます。面白いです!


■動画の5分1秒~5分8秒では、「クリーチャーが車のフロントガラスを割る」
というカットが完成するまでの様子を、順を追って見せています。

「プライミーバル」シリーズ1 メイキングより
1.
ブルーバック(合成素材を撮影する際の背景)で車の
フロントガラスが割られるカットをスタジオ撮影。
カメラは車の中にあり、「車に乗っている人から見た様子」という設定で
固定カメラで撮影。
撮影用の特殊ガラスを窓にはめ込み、棒の先に付けた球体で
フロントガラスを車の外から叩き割る。


「プライミーバル」シリーズ1 メイキングより
2.
窓から見える景色(実写)をCGではめ込み合成。
この時車が揺れているように見えるけれど、
車ではなく合成した景色のほうを揺らして、車が揺れているように見せている。


「プライミーバル」シリーズ1 メイキングより
3.
3DCGで作られたクリーチャーを合成。
造形と動きは完成しているが、質感がまだ作り込まれていない。


「プライミーバル」シリーズ1 メイキングより
4.
クリーチャーにテクスチャを貼り付け、リアルな質感を作る。
光源に合わせてクリーチャーに影を付けて完成。



■気になる映像がたくさんあるのですが、
一ヶ月ぶりの更新になってしまいました。
(ブログの動作確認に時々使っていたノートパソコンが壊れてしまい買い換えました)


少し前のサーバー障害以降、ブログ管理画面の一部コメント返信機能に
不具合が出ていました。FC2さんに問い合わせたところ、
なんと直していただけました!
ユーザーの一人ずつに対応してくださるなんて、すごく感動しました…
FC2さん、どうもありがとうございました!


■ブログを始めて一年が経ちました。
ブログを見てくださる皆様、どうもありがとうございます!

拍手を押してくださった方、ありがとうございました。

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