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木村拓哉「日清カップヌードル」CM どの部分がCG合成か図解 

■一見海外ロケのように見えますが、木村拓哉の出演部分は背景がCG合成です。

日清食品「カップヌードル」CM
『DREAM! オーストラリア』篇(30秒)

CMデータ
放送開始日:2009.2.1~
放送地区:全国
出演:木村拓哉
楽曲:「(Just Like) Starting Over」
(日清食品公式サイトより引用)



こちらでCM動画が見られます。
日清食品|CM NOW on AIR

YouTubeではこちらで(別窓で開きます)
【CM】日清カップヌードル「DREAM!オーストラリア」篇
45秒(30秒バージョン+15秒バージョン)

日清カップヌードルCM「DREAM! オーストラリア」篇 - YouTube (30秒)


リュックを背負った旅人姿の木村拓哉が、真っ青な海に囲まれた島の砂浜でカップヌードルを食べるCMです。

テレビから少し離れた場所でこのCMを見て、普通に海外ロケだと思っていました。
ところがテレビの近くでちゃんと見たら、

こ……これ合成だ

なんと木村拓哉はスタジオ撮影でした。
木村拓哉に当たる光は太陽光ではなく、スタジオの照明です。
周りの風景と馴染ませるため、木村拓哉をわざとぼやけさせています。
キムタクの質感が周囲に比べてのっぺりしているのはそのためです。
自然な出来映えでびっくりしました。

どこがCG合成なのか書き出してみました。


30秒バージョンは、全部で17のカットから成っていました。
(ラストの「真っ白な背景に日清50周年のロゴが出る」カットを除く)

1カット目…海の遠景(砂浜を歩く木村拓哉の後姿が米粒のように小さく映る)
2カット目…砂浜を歩く木村拓哉(膝から上のショット)
3カット目…ボートから手を振る子供が2人
4カット目…両手を振り返す木村(バストアップ)
5カット目…子供「潮が満ちるぞ!急いで!」
6カット目…足元を見る木村(バストアップ)
7カット目…木村の靴のアップ
8カット目…走り出す木村(バストアップ)
9カット目…海辺を走る木村を横から撮る(全身ショット)
10カット目…走る木村(バストアップ)
11カット目…海の遠景(走る木村の後姿が米粒のように小さく映る)
12カット目…木漏れ日
13カット目…砂浜に寝転ぶ木村(顔アップ)
14カット目…砂浜に寝転ぶ木村(全身)
15カット目…海をバックにカップヌードルを食べる木村(顔アップ)
16カット目…手を振る子供2人(バストアップ)
17カット目…手を振り合う木村と子供2人(ロングショット)
ラスト…「日清50周年」ロゴ

太文字の部分は背景がCG合成されているカットです。
合成カットは9つありました。

(すみません、携帯から閲覧の場合は太字が反映されません。合成部分について下に詳しく書きます)

「木村拓哉の顔が映っている」+「背景に海が映っている」
この条件を満たしたカットは、背景がCG合成だと思って間違いなさそうです。




・1カット目…海の遠景(砂浜を歩く木村拓哉の後姿が米粒のように小さく映る)
(YouTube動画の0秒~0分2秒の部分)
日清カップヌードルCM

・11カット目…海の遠景(走る木村拓哉の後姿が米粒のように小さく映る)
(YouTube動画の0分16秒~0分18秒の部分)
日清カップヌードルCM

【合成なし】
この2つの遠景カットの人物は合成に見えないので、恐らく木村拓哉とは別人で撮影していると思います。

この2つのカット、同じ場所で引き潮の時と満ち潮の時にそれぞれ撮影しているんですね。
しかも砂浜が海に挟まれて道のようになっているという絵になる景色です。
この景色を実写で撮影しているだけでもこのCMはすごいと思います。



・2カット目…砂浜を歩く木村拓哉(膝から上のショット)
(YouTube動画の0分3秒~0分5秒の部分)
【実写の背景に木村拓哉を合成】
ふわっと風の吹くタイミングが上手くて、本当に屋外に居るような感じがよく出ています。



・7カット目…木村拓哉の靴のアップ
(YouTube動画の0分10秒~0分11秒の部分)
【合成なし】
恐らくこの時映る足は木村拓哉本人の足ではないと思います。



・9カット目…海辺を走る木村拓哉を横から撮る(全身ショット)
(YouTube動画の0分12秒~0分14秒の部分)
日清カップヌードルCM

【実写の背景に木村拓哉を合成】
一番驚いたのはこのカットです。
木村拓哉はもちろん実写、背景も実写(合成)、そしてなんと足元の水しぶきも実写です。
一体どうやって撮影・合成されたのかまったくわかりません。

日清食品|CM NOW on AIR
より以下引用です。

水上を疾走するシーンの迫力も是非ご覧ください。
(引用終わり)



「このカットに注目して」と言いたくなるのもわかります。


接地面をどうするか?
人物と背景がCGで合成されている場合、「地面と靴底が接する部分」。これはどうしても不自然になってしまいます。
この海辺を走るカットは、上手い具合に靴底と地面の接する部分が映らないように撮られています。

地面と接する靴底がいつも画面外にあります。
日清カップヌードルCM
日清カップヌードルCM
日清カップヌードルCM

このカットは本当にすごくて、
足元の水しぶきが木村拓哉側のものなのか
(スタジオに水を入れて撮影し、水しぶきごと背景に合成したのか)、
背景側のものなのか
(代役が海に入って水しぶきを上げながら走り、代役をCGで消したのか)、
それすらわかりません。
恐らく前者かと思いますが……すごいとしか!



・10カット目…走る木村拓哉(バストアップ)
(YouTube動画の0分14秒~0分15秒の部分)
日清カップヌードルCM

【実写の背景に木村拓哉を合成+CG】
画面左下に水しぶきが映っていますが(画像ではちょっとよく見えません)、これはCGでした。
(水しぶきのみ1からCGで作って画面に合成されている)



・14カット目…砂浜に寝転ぶ木村拓哉(全身)
(YouTube動画の0分22秒~0分24秒の部分)
日清カップヌードルCM

【実写の背景に木村拓哉を合成】
これもすごいです。実写同士(海辺と木村拓哉)を合成しているのですが、どこが境い目なのかわかりません。
木村拓哉の体と砂浜との境い目が自然なので、たぶん砂浜のどこかで背景と繋いで馴染ませているのでしょう。背景と木村拓哉とのアングルがぴったりと合っていてすごいです。
手前の木も合成です。



・17カット目…手を振り合う木村拓哉と子供達(ロングショット)
(YouTube動画の0分27秒~0分29秒の部分)
日清カップヌードルCM

【実写の背景に木村拓哉を合成】
画面右の木村拓哉と木が合成です。
子供達と木村拓哉の質感・色調が違い、木村拓哉はのっぺりしています。


■人物と背景を合成している場合、背景と馴染ませるために人物の肌の色が濃くなっていたり、
質感が失われて透明感がなくなるのが特徴だと思います。



日清の公式サイトにはこんな風に書かれていました。
日清食品|CM NOW on AIR
より以下引用です。

第3弾の見どころは木村さんがカップヌードルを食べるシーン。
お腹が空いた状況でカップヌードルを食べるカットの撮影では、豪快に麺をすする姿に、現場にいたスタッフも思わず「美味しそう」と思ってしまうほどでした。また水上を疾走するシーンの迫力も是非ご覧ください。
ロケ地は、オーストラリアの東海岸アーリービーチから船で1時間ほど進んだところにある「ラングフォード島」。潮が満ちると島から伸びる道が消えてしまうという、世界でも珍しい場所で今回の撮影は行われました。満潮時には完全に道が海に沈んでしまうため、潮の満ち引きを考えながら、限られた撮影時間のなかで撮影は行われました。
(引用終わり)



やはりイメージを壊さないためでしょう、合成ということには触れず、でも嘘ではないという内容が書かれています。
木村拓哉を撮影した「現場」とは日本の撮影スタジオのことだと思います。



背景をCG合成すると人物がのっぺりする訳

「ALWAYS 続・三丁目の夕日」
(2007年 日本)
監督:山崎貴


【インタビュー】2008/05/26
昭和34年の日本をVFXで再現『ALWAYS続・三丁目の夕日』- 山崎貴監督に訊く
1 どのシーンをどんな手法で撮るか
2 映画でVFXを使うことの意味

(リンク先はCG合成に関する山崎貴監督のインタビューです、面白いです。「接地面」の違和感をなくすための工夫についても語られています)

こちらの記事から以下の画像を引用しました。
(クリックで拡大します)

背景合成前
「ALWAYS 続・三丁目の夕日」合成前

背景合成後
「ALWAYS 続・三丁目の夕日」合成後

背景が合成された途端、画面に奥行きと広がりが増すのがすごいですね。

今回は合成前と合成後の人物の肌・洋服の質感に注目してみます。

背景合成前
自然な質感、自然な肌色、自然光の当たり具合によって出る微妙な陰影が見て取れ、カメラと人物との間に距離感・空気感も出ています。
左手前に居る小日向文世さんのスーツの生地の厚みや硬さ、布地に触った時の手触り、それぞれの人が着ている洋服を手に持ったらどんな重さか、そんなことも伝わって来る気がします。

背景合成後
合成後の画像を見ると、背景が合成されただけでなく人物の質感も変わっています。
上記のものが削ぎ取られ、どの人物も肌の色、質感、陰影が均一になっています。
全員似たような肌の色になっていますね。ピンク掛かっています。
自然光が当たっている感じもしなくなり、屋外での撮影にも関わらずまるでスタジオ撮影したように見えます。
カメラと人物の間にあった距離感もなくなり、カメラとの間にどのくらいの距離があるのか、人物は本当にそこに立たせて撮影したのか、といった現実感がなくなっています。

このように人物の色調を調整したり質感をのっぺりとさせるのは、
人物(実際にそこに居る)と背景(合成)との質感の差をなくすためです。
画面全体を同じようにのっぺりさせないと、人物にだけ現実味があり、背景が浮いてしまうからだと思います。
合成カットの質感の情報量が減ってしまうのはその結果だと思います。





(2009年12月1日追記)

11月29日(日)のフジテレビ「笑っていいとも!増刊号」にて、
「日清食品カップヌードルCM『DREAM! オーストラリア篇』は、
木村拓哉がスタジオ撮影で、背景はCG合成」

という内容が放送されました。

この「オーストラリア篇」がCG合成だと明かされたのは初めてだと思います。
撮影時の話がとても面白かったです!
番組を録画していたので、放送内容を書き出しました。


■2009年11月23日(月)放送「笑っていいとも!」

テレホンショッキングゲスト:木村拓哉

11月23日の生放送CM中に木村拓哉が語ったCM撮影裏話が、
11月29日の「いいとも増刊号」にて放送されました。

まず、実写映画「宇宙戦艦ヤマト/SPACE BATTLESHIP ヤマト」
(監督:山崎貴/主演:木村拓哉)
の合成カットの撮影について語られていました。

木村拓哉談:
実写版「宇宙戦艦ヤマト」は、CG(VFX)を多用している。
VFXの撮影はブルーバックやグリーンバック(合成素材を撮影する際の背景)で行う。
何もない場所で撮影するので、完成したらどんな映像になるのか
俳優陣は想像するのが難しい。

山崎監督「ここに木星があります」

山崎監督「木星はこれくらいの大きさです」
(レーザーポインタで壁に円を描きながら)

と監督から説明を受けるが、これだけではイメージが沸きにくい。

木村拓哉「木星はどんな風に見えるんですか」

そこで山崎監督がノートパソコンを持って来て、
「まだラフなんですけど」
と言ってパソコンを開くと、そこには木星のCG映像が。
役者が完成映像をイメージできるよう、作っている途中の
CG映像を見せてくれるのだ。

他のシーンでも「ヤマトはこういう場所を突き進んでいきます」
ラフに作ったCG映像を見せてくれる。
こうして山崎貴監督は、視覚情報や、演技に入り込むための気分を
僕らに提供してくれる。



そこで、カップヌードルCMの撮影話が出ました。


画面に「CM中」のテロップ。以下、木村拓哉談(11月29日放送)
(※しゃべった言葉をそのまま書きました。補足は下に)

今回のヤマトに関しては、グリーンの僕らの背景になってる部分は
コンピューターで見ることができるんですけど。

これは増刊号で流れてしまうのかどうかわからないんですけど、
某CMで、世界各国へ行っているシチュエーション(※1)があって、
自分の目の前に巨木がそびえ立っていたり(※2)とか、
アラスカ大陸を犬ぞりで走ってみたり(※3)とか、あるんですけど。

CM監督「少年達があそこで手を振っています」(※4)

っていうところにバッテンのガムテープが貼ってあるっていう。

CM監督「あそこで少年達が、『走らないと危ないよ』(※4)ということを言ってくれます」

木村「はいわかりました」

CM監督「本番!!」

っていうこともあるんです。


タモリ「(木村に対し)そうだよね。(観客・視聴者に)普通そうなんですよ」



補足:


(※1)

某CMで、世界各国へ行っているシチュエーションがあって、


■日清カップヌードルCM「DREAM!」シリーズのこと。
現在までに5本放送されている。

第1弾「DREAM! アフリカ」篇
第2弾「DREAM! アラビア」篇
第3弾「DREAM! オーストラリア」篇
第4弾「DREAM! ベーリング海峡」篇
第5弾「DREAM! 北米大陸」篇
(すべて、出演:木村拓哉)



(※2)

自分の目の前に巨木がそびえ立っていたりとか、


■第5弾「DREAM! 北米大陸」篇のこと。
(木村拓哉が森の中で巨大な木に出会うという内容)



(※3)

アラスカ大陸を犬ぞりで走ってみたりとか、


■第4弾「DREAM! ベーリング海峡」篇のこと。



(※4)

CM監督「少年達があそこで手を振っています」


■本記事で書いています、第3弾「DREAM! オーストラリア」篇の
3カット目…ボートから手を振る子供が2人
16カット目…手を振る子供2人(バストアップ)
17カット目…手を振り合う木村と子供2人(ロングショット)

のこと。


CM監督「あそこで少年達が、『走らないと危ないよ』ということを言ってくれます」


■同CM、
5カット目…子供「潮が満ちるぞ!急いで!」
のこと。



合成カットを撮影する際、完成に近い映像を見せてもらえて
イメージを膨らませられることは稀で、通常は、完成形が見えない状態で
壁に貼られたガムテープを子供だと思って演技をする。
という趣旨のお話でした。



■CG合成だと木村拓哉が公言しているCM

■世界を旅するシリーズのCMは5本とも、背景は海外ロケで、
木村拓哉はスタジオ撮影です。

今回話題に上ったオーストラリア篇の他、
第1弾「DREAM! アフリカ」篇と
第5弾「DREAM! 北米大陸」篇については、
木村拓哉がラジオ番組でCG合成だと明かしています。


文化放送『STOP THE SMAP』(2008年10月1日放送)より

「アフリカ行ってたから焼けてるんだ」って言われるんですけど
これは…千葉焼けです。

カップヌードルの「DREAM! アフリカ篇」は
調布の大映スタジオで撮影しました。


CM動画(30秒):
日清カップヌードルCM「DREAM! アフリカ」篇 - YouTube
(木村拓哉がアフリカの広大な大地で日の出を見るという内容)
日清カップヌードルCM「DREAM! アフリカ篇」より



TOKYO FM『木村拓哉のWhat's up SMAP』(2009年9月18日放送)より

俺、色んなところに行ってる設定になってるんですよ。
カップヌードルでは巨木に触れてますけど、行ってみたいくらいですね。


CM動画(30秒):
日清カップヌードルCM「DREAM! 北米大陸」篇 - YouTube
(木村拓哉が森の中で巨大な木に出会うという内容)
日清カップヌードルCM「DREAM! 北米大陸篇」より

巨木の詳細:
アメリカ/カリフォルニア州セコイア国立公園内にある
ジャイアントセコイアという世界最大級の太さを誇る木。
高さは約75m。樹齢はおよそ800年。(カップヌードル公式サイトより)



■合成技術も、俳優さんもすごい!と改めて思いました。
追記は以上です♪


拍手を押してくださった方、どうもありがとうございました。


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まさかCGだったとは気付かなかった…

>ダックさん

コメントありがとうございます!
今の背景CG合成は違和感が全然ないですよね。
映像を作っていらっしゃるクリエイターの方達はすごい!と思います(^-^)

憶測ですよね?

>2009/11/26 00:37さん

そうなんです。メイキング映像が公開されていないので、
ここに書いたことが確かとは言えません。すみません(>_<)

このブログは、この映像すごい!制作者さんすごい!という
興奮と尊敬の念から書いています。
このCMの記事は書かずに居られませんでした…!

30秒バージョンの2カット目、15カット目、17カット目は合成がわかりやすいので、
これらのカットの

●人物の質感

●2カット目の背景と人物との照明、質感のちがい
(背景…明るく透明感がある/人物…光が太陽光でない、質感が濁っている)

●15、17カット目の、背景と合成人物との境い目(人物の輪郭)のエッジが立った感じ

などを覚えておくと、他の映像でも合成カットがわかったり、
その技術の高さが見えて面白いかも知れません(^-^)

公式サイトの動画はもう消えていますね。
YouTubeでどうぞ!(30秒)
http://www.youtube.com/watch?v=cDkQcR4DP-c

11月29日に、このCMがCG合成であるとフジテレビで放送されました。
本文に放送内容を追記しました。















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